ファン内蔵のM5 MacBook Proもサーマルスロットリングが報告

次世代「M6」iPad Pro、ベイパーチャンバー冷却を採用か

多根清史

Image:tinhkhuong/Shutterstock.com

次世代iPad Proには、ベイパーチャンバー冷却機構が搭載されると米Bloombergが報じている。これにより、今後のモデルはファンレス設計と極めて薄い筐体を維持しつつ、高いパフォーマンスを発揮できる見通しだ。

アップルの内部情報に詳しいMark Gurman記者によれば、iPad Pro内蔵のベイパーチャンバーはすでに「同社のロードマップに載っている」という。昨年登場したM4 iPad Proでは、すでに冷却システムが刷新され、背面のアップルロゴを通して熱を逃がす銅製ヒートシンクが採用されていた。しかし、それだけでは不十分と判断され、さらなる性能向上のために新たな冷却機構が開発されているようだ。

なおアップルは、すでにiPhone 17 Proモデルで自社初となるベイパーチャンバー冷却を採用している。これにより通常使用時の発熱やサーマルスロットリングが大幅に軽減され、とくにゲームプレイ時に顕著な効果を示している。

最新のM5チップは、前世代M4に比べてCPU・GPUともに強化されているが、プロセスルールの差が小さいこともあり(M4は第2世代3nmプロセス「N3E」、M5は第3世代「N3P」)、発熱が増しているようだ。たとえばM5搭載の14インチMacBook Proには1基の冷却ファンが内蔵されているが、M4モデルより高温になりやすく、ベンチマークスコアの伸びが頭打ちになるケースも報告されている。

Gurman氏によると、アップルはベイパーチャンバーの開発を進めており、次期モデルで統合する計画を立てているという。ただし、iPad Proのアップグレード周期はおよそ18か月とされており、実際にこの冷却機構が搭載されるのは2027年春以降の新型モデルになる可能性が高い。

現時点では次期iPad Proに関する具体的な情報は確認されていないが、おそらく新開発の2nmプロセスによる「M6」チップを搭載する見込みだ。プロセスの微細化によって発熱が低減され、ベイパーチャンバー冷却と組み合わせることで、高性能と薄型デザインを両立しやすくなると考えられる。

とはいえ、そこまでの性能を必要とするiPad向けアプリはほとんどなく、ユーザーからはmacOSとの統合や互換性を求める声が高まるかもしれない。

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