どのユーザー層に向けた製品なのか
初の折りたたみiPad、2029年以降に延期か。価格も重さもMacBook Pro級?

アップルは折りたたみ式iPadを開発中とみられているが、価格は約3000ドル(約45万円)に達し、発売は2029年以降にずれ込む可能性があるとBloombergが報じている。
同社の内情に詳しいMark Gurman記者によれば、折りたたみiPadは当初2028年のリリースを目標としていたものの、重量・機能・ディスプレイ技術に関するエンジニアリング上の課題が開発の足かせとなっているという。
アップルはサムスンディスプレイと協力し、約18インチの大型パネルを開発しているとのこと。このディスプレイは、折りたたみ機に特有の折り目を最小限に抑える構造を採用しており、次期折りたたみiPhoneと同様のアプローチが取られているようだ。
この折りたたみiPadの試作機(開発コード名J312)には外部ディスプレイが搭載されないとのこと。閉じた状態では両面がアルミに覆われたMacBookに似ており、開くと13インチのノートPC程度の大きさになるとされる。折りたたみiPhoneは外部ディスプレイ搭載とみられており、それよりも設計はシンプルとなるようだ。
ただし、試作機の重さは約1.6kgとされており、通常のiPad(約0.45〜0.6kg)の2〜3倍、ほぼMacBook Pro並みの重量になる。ディスプレイ面積はMacBook Proより広いものの、タブレットの強みである携帯性は損なわれる可能性が高い。
外観は、中国のファーウェイが2025年5月に発表した18インチ折りたたみタブレット「MateBook Fold」に似ているとされる。同製品は本体が約1.16kg、キーボードを含めても約1.45kgと折りたたみiPadの試作機より軽量だが、価格は約3400ドルに達している。
アップルはこの折りたたみモデルによって、iPadの「再発明」を目指しているとされる。重量や価格帯から考えると、ハイエンドのMacBook Proに近いポジションとなり、従来のiPadユーザー層とは異なる新しいカテゴリーの製品になる可能性が高い。