まさに日進月歩

アップル「M5」、処理能力が「M1 Ultra」に匹敵すると判明。当時約50万円のMac Studioが搭載

Munenori Taniguchi

Image:Apple

アップルが発表した新しい14インチMacBook Proに搭載される「M5」チップは、大きく性能が向上したと言われている。

そして、9to5Macが、M5チップの性能をベンチマーク診断ソフトウェアGeekbench 6で計測したところ、そのマルチコア処理のスコアは2022年に発売された「M1 Ultra」チップ搭載のMac Studioと同等であることがわかったという。このスコアは、比較相手を変えて言えばM3 Maxチップとも同等、ということになる。

また、Geekbench 6データベースのシングルスコア性能においては、M5チップはMac搭載プロセッサーのなかで歴代最高のスコアとなる4263を記録したという(M4 Max搭載のMac Studioは4017点)。

これまでアップルは、AppleシリコンのMシリーズを、無印のベースモデル、Pro、Max、Ultraといった複数グレードで展開してきた。だが、今年発表されたM5世代チップはまだ上位グレードが登場していない。見込みとしては、年をまたいだ2026年にM5 ProおよびM5 Max搭載の製品が登場するとされているが、M5 Ultraの登場にはさらにしばらく時間がかかりそうだ。

M5世代チップはGPUの能力が大きく引き上げられており、各コアに専用のニューラルアクセラレータを搭載する新開発の10コアGPUによって、M4チップに比べ30%も高いパフォーマンスを実現。ピークGPU演算性能は4倍以上という進歩を見せている。

さらに、第3世代になったレイトレーシングエンジン、AIタスク処理に最適化された新しい16コアNeural Engineを搭載。M4チップに比べて約30%向上したという統合メモリー帯域幅を実現している。これにより大規模言語モデルをローカルで実行するための性能が向上している。

月日が経てば、コンピューターの処理能力が向上していくのはあたりまえのことだ。しかし、当時最高峰と言われていた処理性能が、わずか3年で普及モデルとも言えるMacBook Proのベースモデルに載り、その価格もほぼ半分にまで下がったと思うと、Appleシリコンの性能向上の速さに驚くほかない。

M5チップ搭載のMacBook ProおよびiPad Pro、そしてM5 Apple Vision Proは、いよいよ10月22日より出荷が開始される。

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