たしかに、投稿にいいねするのを忘れることもある

Xが“アプリ内からユーザーを逃さない”方法をテスト。リンクのクリック後もいいねアイコンが表示

Munenori Taniguchi

Image:Nikita Bier/X

Xは同サービスへの投稿における外部リンクの処理を変更し、アプリ内でリンク先のプレビューを表示する際も、リンクを示した投稿に対するいいねや返信などのリアクション用アイコンを常時表示する仕組みをテストしている。

Xでは、投稿における外部ウェブページへのリンクをユーザーがクリックすると、そのページのプレビューが投稿の上に重なって表示される。Xのプロダクト責任者のニキータ・ビア氏によると、この仕様ではリンクつき投稿を見たユーザーの興味は、投稿に対するリアクションをする前に、リンクを辿って外部へと出ていってしまうため「Xはコンテンツの良し悪しを明確に判断できない」のだそうだ。

そのため、Xはこの問題を改善する試みとして、投稿がウェブビューの下に隠れるのではなく、画面下端に引き下げられる格好で一部を引き続き表示することで、リンク先を読んでいる際も投稿に対するいいねや返信、引用などのリアクションができるようにした。

また、Xのオーナーであるイーロン・マスク氏は推奨アルゴリズムの仕組みに変更を施したため、リンク付き投稿のリーチが増加する可能性があると述べた。マスク氏は、Xは今後数週間で「ヒューリスティック(経験則でユーザビリティを評価する仕組み)をなくし、いいねや返信といったユーザーの直接的な反応の影響力を弱め、Xへのすべての投稿を学習するGrokが、そのユーザーが最も興味を持つと思われるコンテンツにマッチングさせる」と説明している。

ITニュースサイトThe Vergeの説明によれば、この変更はフォロワー数が少ない、つまり影響力を持たないアカウントであっても、リーチを拡大できる可能性があるとのことだ。

なお、ビア氏もマスク氏もこれまでに、リンクのみを示した投稿はXではそれほど注目されていないとの認識を示している。つまり今回の変更でも、それほどリーチが大きく改善するとは思わないほうが良さそうだ。

ビア氏は、投稿は常に「優れたコンテンツとして単独で成立するべき、つまり、しっかりしたキャプションを書くべきだ」と付け加えた。要するに、投稿者はリンクだけを示してユーザーが読むのを期待するのではなく、そのリンク先の内容やそれを読んだ感想、他人に勧める理由など、読みてに有益な情報を添付するほうが、より注目されるようになるはずだとしている。

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