年齢確認を導入したのでエロティカ解禁

ChatGPTが「成人向け表現」12月に解禁。年齢確認ユーザーに限定

多根清史

Image:Alex Photo Stock/Shutterstock.com

OpenAIは2025年12月から、年齢確認を済ませた成人ユーザーに対し、ChatGPTでのエロティカ(成人向け官能表現)利用を正式に解禁する方針を発表した。

この措置は、同社が9月に導入したペアレンタルコントロール(保護者管理機能)および自動年齢判定システムに基づくもの。サム・アルトマンCEOは「成人ユーザーは成人として扱う」という原則の一環だと説明している。

これまでChatGPTは、精神衛生上の懸念から厳しい制限を設けてきた。だが、現在はメンタルヘルス問題を軽減するための新たなサポートツールが整備されたことにより、規制を緩和する準備が整ったとしている。

要するに、未成年と成人を明確に区別できる仕組みが整ったことで、回答内容の自由度が大きく向上したというわけだ。実際、熱心なChatGPTユーザーの中にはNSFW(Not Safe For Work/職場閲覧注意)な会話を行う者も少なくないが、OpenAIはそうした利用を事実上容認する方向へと舵を切ったとも受け取れる。

さらに、OpenAIは今月初めに開催された年次イベント「DevDay 2025」においても同様の方針を示している。ChatGPTアプリ開発者向けの新ガイドラインには「適切な年齢確認と管理機能が整い次第、成人向け(18歳以上)体験のサポートを開始する」と明記されていた。これにより、12月以降はChatGPT本体や関連アプリにおいて、成人向けインタラクションが公式に認められる見通しである。

一方で、ChatGPTの利用がユーザーに悪影響を与えたとされる事件や報道も相次いでいる。中でも注目を集めたのは、16歳の少年アダムが自殺した一件である。彼はChatGPTに孤独や感情的な悩みを相談しており、その過程で具体的かつ技術的な自殺ガイダンスが提示されていたと報じられている。

今回の方針転換は、AIの安全性とユーザーの自由度・利便性とのバランスをどのように取るかという点で重要な転機となる。これまでOpenAIは「休憩を促す通知」など、利用を制限する方向で安全策を講じてきた。しかし年齢制限を導入したことで、成人向けゾーニングが実現し、チャットボットの応答や機能におけるカスタマイズの幅が大きく拡張されそうだ。

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