フルWindows搭載なら安いかも
次世代Xboxチップ「Magnus」の詳細リーク。PS6超えの高性能、ただし12万円以上か

マイクロソフトが次世代Xboxハードウェアの開発を中止したという噂が浮上した直後、同社は「設計・開発・製造に積極的に投資している」との声明を発表して否定しつつ、AMDとの戦略的パートナーシップにも言及していた。一方で、携帯型「Xboxハンドヘルド」の開発中止については正式な発表がなく、少なくとも据え置き型の次期プロジェクトは継続していると見られる。
そんな中、次世代Xbox向けAPU(CPUとGPUを統合したチップ)「Magnus(マグナス)」の詳細仕様が明らかになったと報じられている。
未発表ハードに詳しいYouTubeチャンネル「Moore’s Law Is Dead」によると、同チャンネルがAMD社内でMagnus開発を担当している関係者と接触し、「Magnusはキャンセルされていない」との確証を得たという。その人物は現在も調整作業を続けており、「直前の金曜日まで作業していた」そうだ。
リークによって判明したMagnusの主な仕様は以下の通りである。
- ゲーム機用としては過去最大級のAPUで、ダイサイズは408mm²。PlayStation 6よりも大きく、性能面ではPS6を上回る可能性があるが、製造コストも上昇する見込み
- GPUは最新のRDNA 5アーキテクチャを採用し、68基のCU(Compute Units)を搭載。これはPS6の52〜54CUを上回る
- GPUのL2キャッシュは少なくとも24MB(Xbox Series Xの約5倍)
- CPUはZen 6×3コア+Zen 6c×8コア構成で、L3キャッシュは12MB。Zen 6コアは3nmプロセスで製造され、高クロック動作が期待される
- メモリは192ビットバス幅で最大48GBのGDDR7を搭載。PS6の160ビット/最大40GBより広帯域
- AI処理用NPUは最高110TOPS(6W時)または46TOPS(1.2W時)の2モードを持つ
- 推定TDPは250〜350Wと高めだが、PS5やXbox Series Xと同等の据え置き型筐体に収める設計
- APUコストから想定される価格は800ドル(約12万円)以上。1200ドルを超える可能性は低い
- 発売予定時期は2027年
こうした極めて高性能な仕様を備える一方で、もし次世代XboxがフルWindows環境(PCランチャーやアプリに対応する「真のハイブリッド構成」)を採用しない場合、PS6よりも高価になることが正当化できず「大失敗に終わる」と予想されている。
ソニーはPS6で、レイトレーシング処理の効率化や圧縮技術の改良によってメモリ帯域幅の消費を抑え、GPU負荷を軽減して省電力を重視する方針とみられている。対照的に、次世代Xboxは同じAMD製チップを採用しながらも、よりパワー指向で真逆の方向を目指しているようだ。
- Source: Moore's Law Is Dead
- via: Gizmodo