アプリもアップグレード

マイク強化で5mまで収音、画面がついたAIボイスレコーダー「Plaud Note Pro」

編集部:平山洸太

「Plaud Note Pro」

PLAUDは、AIボイスレコーダーのフラグシップモデル「Plaud Note Pro」を10月14日に発売する。価格は30,800円(税込)。ブラックとシルバーの2色をラインナップする。

会話や会議などを録音できるボイスレコーダーで、スマートフォンアプリと連携することで、文字起こしから議事録作成まで行えるというアイテム。2023年には初代モデル「Plaud Note」が日本初上陸し、2024年には小型モデル「Plaud Note Pin」が登場。新モデルはPlaud Noteの上位モデルとして主にハードウェアスペックの強化が行われ、今後は3機種展開となる。

ラインナップ一覧

大きな特徴が、従来2つだったMEMSマイクが4つに増やされたこと。これによって、周囲の雑音を低減する「AI指向性収音技術」を実現し、最大5m先の音声もクリアに捉えるとする。実際に騒がしい場所でもテストを行っており、居酒屋のような場所でも音声を捉えられるそうだ。

なお、5mまでの収音とAI指向性収音技術を利用できるのは「音声強化モード」にした際で、この場合の連続駆動は最大30時間。「長時間駆動モード」を利用することで、収音範囲はPlaud NoteやPlaud Note Pinと同じ3mに縮小されるものの、最大50時間駆動させることができる。

2つの収音モードを搭載

振動接触センサー(VCS)を内蔵することで、付属のMagSafe対応ケースに入れてスマートフォンに装着することで、通話時の音声振動を拾って録音をすることが可能。Plaud Noteにも同様の機能は備わっているが、ユーザーが物理スイッチでモードを切り替える必要があった。本モデルでは、スマートデュアルモードにより自動的に切り替えることができる。

右が既存モデル「Plaud Note」。左2つが新モデル

本体素材にはアルミニウムを使用し、3D波状テクスチャ加工デザインを採用する。質量は30gで、大きさはクレジットカードサイズ(85.6×54.1×2.99mm)。0.95インチのAMOLEDディスプレイを搭載しており、バッテリー残量や録音の状態などをカラー表示できる。600nitsの輝度により、直射日光下でも視認性を確保しているとのこと。カバーガラスにはコーニング社の強化ガラス、Gorilla Glassを採用する。

ほか、細かなスペックとしてWi-Fi接続は2.4GHzと5GHzのデュアルバンドをサポート(従来モデルは2.4GHzのみ)。充電中のクラウド転送に対応する。Bluetoothのバージョンは5.4、バッテリー容量は500mAh。本体ストレージは64GBとなっている。

なお、従来モデルと同様に、文字起こしできる時間はプランごとに上限が設けられている。無料のStarterプランでは月間300分まで、年額16,800円(税込)のProプランでは月間1200分まで、年額40,000円(税込)のUnlimitedプランでは無制限となっている。

“人間中心”で設計するAIの活用

10月9日から、iOS/Android対応アプリの新バージョン「Plaud App 3.0」を提供開始する。デザインを刷新した新UIとなっており、録音から実用的なアウトプットまでをスムーズに連携できるとしている。新製品のPlaud Note Proだけでなく、既存のPlaud Note ProとPlaud Note、Plaud Note Pinでも利用可能。

「Plaud App 3.0」を提供開始する。写真はPLAUD株式会社 セールスディレクター 鈴木直幸氏

Plaud製品には記録/抽出/活用の3つの大きな軸があるが、これまで「音声を取り込むことに従来フォーカスしていた」と発表に合わせて開催されたイベントにおいて、同社セールスディレクターの鈴木直幸氏が説明。「もっと情報が必要なんじゃないか」ということで、新バージョンでは「多くの情報を取り込めるような機能」を搭載したそうだ。

その一つが、アプリに写真を取り込めるようになったこと。写真による視覚的な情報を音声録音と組み合わせることで、「音声を補完する情報」として要約に盛り込まれる。また、録音中にメモを入力できるようになったことで、ひらめきや思いついたことを一緒に取り込めるようになる。

画像も入れ込んで要約を作れるようになった

さらにPlaud Note Proでは、本体のボタンを録音中にワンタップすることで「ハイライト」機能を利用することが可能。これは重要だと思ったところでボタンを押すことで、そこから30秒間を遡って “重要な情報” として位置づけ、要約する際に役立てられる。

昨年末に追加されたチャットボット機能「Ask AI」が「Ask Plaud」としてバージョンアップされ、よりノートの記録から質問で情報を引き出しやすくなったという。なお現状は無料のStarterプランでは利用できないが、このプランでも使えるように調整中とのこと。ほか、複数のパターンで要約を作成する「多次元要約」という機能も追加。たとえば「重要な洞察」や「戦略的進化」など、通常とは違った視点で要約が行えるようになる。

新バージョンの機能一覧

発表会の冒頭に登壇したCEOのNathan Xu(ネイサン・シュー)氏は、新たに企業としてのミッションを「無限に広がる、知的ポテンシャル」に定めたことをアナウンス。人をAIに置き換えるのではなく、「AIのソリューションを構築し、それを人間中心にする」ことを目指していくという。全てのPlaud製品はこの理念に基づいて展開しており、それによって「人々の成功を支援したい」とした。

「無限に広がる、知的ポテンシャル」を新たなミッションに。写真はPLAUD Inc. 共同創業者兼CEOのNathan Xu(ネイサン・シュー)氏

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