LE Audio対応に期待

「AirPods Pro 2」登場の前兆か。アップルがBluetooth 5.2対応製品を準備中?

Image:Fadhli Adnan/Shutterstock.com

アップルがBluetooth 5.2をサポートする未発表製品の準備を進めている可能性が、今月初めにBluetooth SIG製品データベースに提出された資料から明らかになった。これは数ヶ月前、次期「AirPods Pro 2」がBluetooth 5.2に対応するかもしれない、と噂されたことに続くものだ。

アップルが出願した書類には、将来の製品を想定していると思しき「Bluetooth 5.3ホストサブシステム」が記載されている。米MacRumorsによると、これまで同社の出願書類に書かれたBluetoothのバージョンは(理由は不明だが)実際の製品が対応するものより1つ上であることが多いため、実際にはBluetooth 5.2を指している可能性が高いという。

たとえば「Beats Studio Buds」は、実際にはBluetooth 5.2だが、出願書類にはBluetooth 5.3と記載されていたという。また近年のiPhoneやiPadの多くのモデルもBluetooth 5.0対応だが、やはりBluetooth 5.1として届け出ていたそうだ。

バージョン番号が混乱ぎみなことはさておき、アップル製品にBluetooth 5.2が採用される見通しは、特にAirPodsにとって重要なはず。なぜなら、ワイヤレスオーディオについて数々の改善が施された「LE Audio」は、Bluetooth 5.2以降が必要だからだ。

LE Audioは、低消費電力の通信規格「Bluetooth LE(Low Energy)」の一部。そのメリットはバッテリー持ちの改善や低遅延、複数機器にブロードキャスト(1台のiPhoneに2組以上のワイヤレスイヤホンを繋ぐなど)、左右独立のストリームで高精度の同期ができることだ。

さらにコーデックに「LC3(Low Complexity Communications Codec)」を採用することで、音質の向上や安定性も期待できる。つまり小型かつバッテリー容量が少ないAirPodsシリーズに、大きな利便性がもたらされるわけだ。

先月Bluetooth SIGは、2022年末までにLE Audio対応デバイスの供給が本格化するとの見通しを示していた。これをアップルの届け出や噂話と合わせて考えると、9月8日のイベントで発表する噂は聞こえてこないが、AirPods Pro 2が数ヶ月以内に登場する可能性は高いと思われる。

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