Meta Ray-Ban Display対抗のため

アップル、低価格な「Vision Air」を棚上げしてスマートグラス開発を加速か

多根清史

Image:Mijansk786/Shutterstock.com

アップルはVision Proヘッドセットの軽量かつ低価格バージョンの開発を一時中止し、代わりにスマートグラスの開発へ注力しているとBloombergが報じている。

同社の内情に詳しいMark Gurman記者によれば、アップルは当初、この軽量版Vision Pro(コードネームN100)を2027年に発売予定だった。だが、Meta製品に匹敵するスマートグラスの開発にリソースを振り向けるため、先週このプロジェクトからスタッフを異動させたとされている。

軽量版Vision Pro、通称「Vision Air」はBloombergがたびたび報じてきたほか、複数の情報源も「40%以上の軽量化」「50%以上の値下げ」といった仕様を伝えていた。

アップルは少なくとも2種類のスマートグラスを開発中で、ディスプレイ非搭載のiPhone連携モデル(コードネームN50)は、早ければ2026年発表・2027年発売とされる。もう一方のディスプレイ搭載モデルは当初2028年発売予定だったが、開発が前倒しされるようだ。両モデルともスピーカーやカメラを備える見通しである。

一方MetaはRay-Ban Displayを展開しており、片方のレンズに高解像度フルカラーディスプレイを搭載し、メッセージや写真、Meta AIからの情報を表示できる。同社は2023年以降、スマートグラスのバリエーションを続々と投入し、アップルとの差を広げつつある。

アップルのスマートグラスは、次世代Siriによる音声操作が中心になる見込みだ。しかし、次世代Siriの開発は遅れており、2026年まで延期されている。新型スマートホームハブも次世代Siriが中核となるため、ハードウェアの量産準備は進んでいるものの、発売は先延ばしになると見られている

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