アップル製品を販売してないロシアでの入手経路は謎

未発表「M5 iPad Pro」開封動画が登場。GPU性能は38%アップか

多根清史

Image:Wylsacom/YouTube

次期チップ「M5」を搭載したiPad Proがまもなく登場すると噂されている。そんななか、ロシアのYouTuber、Wylsacom氏がその実物を開封する動画を公開した。合わせて、M5チップのベンチマーク結果も初めて明らかにされている。

Wylsacom氏は、正式発表前のM4 MacBook Proをいち早く入手し、開封動画を公開していた人物である。その際に公開した外観、搭載RAM、Geekbenchスコアは、後に発売された製品版と一致していた。

予想通り、M5 iPad ProのデザインはM4モデルとほぼ同じで、超薄型筐体に背面シングルカメラを搭載している。ただし、Bloombergが報じた「前面カメラが2つある」という点については不明である。

M5チップは9コアCPUで、これはM4 iPad Proと同等である。Geekbenchベンチマークではシングルコア性能が約10%、マルチコア性能は約15%向上。L2キャッシュは4MBから6MBに拡張されている。

一方、Metalグラフィックス性能はM4比で38%向上したと示されたものの、AnTuTuテストでは約8%の優位にとどまっている。

動画に映ったiPad Proは256GBストレージで、12GBのRAMを搭載している模様である。現行のM4モデルは256GBと512GBモデルが8GB RAM、1TBと2TBモデルが16GB RAMの構成となっているため、M5モデルでは低容量モデルでもRAMが強化される可能性がある。

また、この個体は最新のiPadOS 26.0.1ではなくiPadOS 26.0を搭載。背面には「iPad Pro」のロゴがなく、パッケージも従来より薄型になっている。

アップルは10月頃にM5 iPad Proを正式発表すると見られており、今回の動画はその予想を裏付けるものといえる。

さらに興味深いのは、Wylsacom氏が2年連続で未発表のアップル製品を入手している点である。アップルはロシアで製品販売を停止しているため、謎が深まる。BloombergのMark Gurman記者は、M4 MacBook Proについて「EUに送られる前に盗まれた可能性がある」と推測していた

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