100kg近い圧力に耐えたという検証もあり
史上最薄iPhone AirをiFixitが分解。プラトー構造により薄型化と曲げ強度を両立

修理業者iFixitは、アップル史上最薄のiPhoneであるiPhone Airの分解動画を公開し、その内部構造や修理のしやすさを詳しく解説している。
iPhone Airは厚さ5.6mm〜6.5mmという極薄設計ながら、分解しやすい構造が採用されている。薄型化のために部品を単純に積層するのではなく、ロジックボードの一部をカメラバンプ(アップルは「プラトー」と呼称)に収納したり、フレーム全体の構造を工夫することで内部を整理し、基本的な修理が容易になっているという。

このプラトー構造によって、大容量で金属ケースに収められた12.26Whバッテリーを搭載でき、同時に強度も確保されている。曲げによるロジックボードへの負荷を抑える設計となっており、かつての「ベンドゲート」問題を防ぐ構造だ。この点についてはアップル幹部も強調している。
iFixitは内部パーツをすべて取り外した状態でフレームのみを曲げるテストも行ったが、その場合は容易に曲がった。これはアンテナ用のプラスチック部位が弱点となっているためである。実際の使用で問題になるかは不明で、iFixitは「時が答えを出すだろう」と述べている。
また、iPhone Airは背面ガラスを外すだけで内部にアクセスできる「デュアルエントリーデザイン」を継承しており、バッテリー交換や部品修理が容易である。バッテリー接着剤は低電圧電流を流すことで簡単に剥がすことができ、安全に取り外せる。バッテリーは「MagSafeバッテリーパック」と同一部品であり、相互に交換可能だという。

さらにUSB-Cポートはチタン合金製の3Dプリントパーツで構成され、小型化と堅牢性を両立。ロジックボードにはアップル独自のC1X 5Gモデム、N1ネットワークチップ、A19 Proチップの搭載が確認された。
総合的な修理しやすさスコアは10点中7点とされ、アップル製品としては高評価である。バッテリーやディスプレイ交換の容易さに加え、アップルが交換部品や修理マニュアルを充実させ、部品ペアリング制限を緩和している点も評価の対象となっている。
なお、耐久テストで知られるYouTubeチャンネル「JerryRigEverything」もiPhone 17 Airを検証。約98kgの強い圧力で画面は割れたものの、背面ガラスは15分以上耐えたと報告している。ともあれ、通常使用や持ち運びでは壊れることはなさそうだ。
- Source: iFixit(YouTube)
- via: MacRumors