BMWとは別のヘルメット不要バイク

ヘルメット不要の電動スクーター「XYTE One」発表。欧州で500台限定の先行予約

Munenori Taniguchi

Image:XYTE Mobility

先日、BMW Motorradが転倒しないセルフバランス技術を採用し、ロールケージとシートベルトを備えたヘルメット不要の電動スクーター「Vision CE」を発表した。このスクーターはあくまでコンセプトモデルではあるものの、すでにホンダやヤマハなどがセルフバランス技術を搭載するバイクを試作していることを考えると、将来的に製品化が可能なモデルとも言えそうだ。

そして、ミュンヘンで開催されたIAAモビリティショーでは、同じドイツのメーカーであるXYTE Mobilityから、ヘルメットが不要という点がVision CEと共通する電動バイク「XYTE One」が発表された。

複数の自動車メーカーでキャリアを築き、自動車向け半導体に強いインフィニオンではCEOも努めたヴォルフガング・ツィーバルト博士が設立したXYTE Mobilityは、「よりクリーンで、より静かで、より安全な個人用都市型モビリティ」の開発を行うベンチャー企業だ。

XYTE Oneは、ヘルメットが不要なところがVision CEと共通している。ただ、Vision CEがセルフバランス機構で転倒を防止しているのに対し、XYTE Oneは前2輪、後ろ1輪の3輪バイクであり、搭乗者を保護する安全セル構造を備えている。

XYTEいわく、このバイクは「スクーターの乗りやすさと小型車並みの安全性を兼ね備えた、世界で最も安全な電動スクーター」だという。そして、欧州ではこの車両はEuropean Class B、つまり普通自動車として扱われるため、ヘルメット着用義務がない。

Image:XYTE Mobility

また、XYTE OneはVision CEのようなコンセプトモデルではなく、正式発表した9月8日に、500台限定、特別価格のローンチエディションの先行予約もアナウンスされた。特別価格は1万3008ユーロ。日本円に換算すると約225万円と少々お高い気もするが、電動スクーターであることや、都市部における渋滞の深刻化などから、自動車交通量の削減が求められる欧州の事情を考慮すると、このような個人向けモビリティが実用的な選択肢として注目されるのかもしれない。なお、欧州主要都市向けの量産モデルは2026年に発売予定だ。

ちなみに、日本でよく見かける宅配用の3輪バイク(前1輪、後2輪)も、わずかな仕様変更でミニカーとして登録が可能になる。ミニカーは自動車の扱いになるのでヘルメット着用が不要。原付に適用される時速30kmまでの走行速度制限や、二段階右折義務も解除される。だが、バイク用の駐輪場に駐車できなくなるなどデメリットもあるので注意が必要だ。

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