Switch 2も改造機器を使えば文鎮化リスク

任天堂、海賊版デバイス販売者に勝訴。約3億円の支払と永久禁止命令を勝ち取る

多根清史

Image:Wirestock Creators/Shutterstock.com

任天堂は海賊版ゲームを取り締まるべく、これまで複数の法廷闘争を繰り広げてきた。そして新たに、海賊版を実行できるデバイスを販売していたサイト運営者に対し、著作権侵害訴訟で勝訴し、200万ドル(約3億円)を支払わせる判決を得たと報じられている。

この訴訟は2024年7月、任天堂が米ミシガン州在住のライアン・デイリー氏に対して提起したものだ。デイリー氏は「Modded Hardware」というウェブサイトを運営し、Nintendo Switchの海賊版防止対策を回避できるデバイスを販売していた。

中でも「MIG Switchフラッシュカート」は物理カードなしで公式ゲームをプレイ可能(違法コピーが動作する)にするもので、Switch 2上で使ったユーザーらがオンラインサービスへのアクセスを永久BANされたことが注目を集めていた

デイリー氏は任天堂の警告後もそれら機器の販売を続け、訴訟では弁護士を使わず自ら自身を弁護していた。だが、裁判所は任天堂の「重大かつ回復不能な損害」を被ったとの主張を認めた。判決文では「MIGデバイス、改造チップ、ハッキングされたコンソール、(海賊版防止対策)回避サービスは、一般市民が大規模に任天堂ゲームの海賊版を作成・流通・プレイすることを可能にする」と述べている。

判決ではデイリーに対して200万ドル支払いのほか、サイトを閉鎖してドメインを任天堂に譲渡し、所有する改造機材の押収・破棄のほか、将来的にも類似の改造機器に関わる販売や制作、ウェブサイト運営や投資を一切禁じる「永久禁止命令」を出している。

ここ数年、任天堂による海賊版訴訟は増える傾向にある。今年初めには海賊版ゲームの削除に応じなかった共有サービスに対する訴訟でも勝訴したほか、YuzuやRyujinxなどSwitchエミュレータも閉鎖に追い込まれていた。さらに同社は、プレイヤーがSwitch 2を改造しようとするとリモートで文鎮化(起動不能)にする可能性もあると明言している

関連キーワード: