今はまだコンセプトだけど、いつか本当に発売されるかも?

犬の遊び相手にもなるロボットアーム付きロボット芝刈り機「NexLawn Master X」

Munenori Taniguchi

Image:NexLawn

独ベルリンで開催された家電見本市IFA 2025ではいくつものロボット芝刈り機が出展されたが、「NexLawn Master X」ほど個性的なものはないだろう。ロボット掃除機で知られるMOVAのサブブランドであるNexLawnはこの製品を「完全に機能する機械式アームを備えた初のロボット芝刈り機」だと述べている。

IFAに出展されたロボット掃除機の中でも、この製品だけが搭載していたロボットアーム(マルチグリッパー)は、芝刈り機の行く手に転がる石やがらくたなどを除去するために装備されている。もし、これが期待どおりに機能するのなら、巻き込んだ石やその他の障害物でブレードが刃こぼれしたり、その他の故障の原因になったりするのを防止し、メンテナンス費用も軽減されるかもしれない。

プレスリリースによると、Master Xシリーズコンセプトは「芝刈り、除草、果物の摘み取り、さらにはペットとの交流」まで可能と記されている。ロボット芝刈り機がペットと交流すると言われると、ついついかわいい動物が回転刃に巻き込まれてミンチにされてしまうのを想像してしまって気が気でないが、そこで役に立つのがロボットアームだ。

このアームは、最も伸ばした状態で約77cmにもなるが、折りたたむとわずか44.5cmとコンパクトに収まる。そして、その役割は上記の障害物除去だけではなく、水道のホースを掴んで家庭菜園に水やりをしたり、その菜園から野菜や果物を収穫したり、生えてきた雑草を取り除いたりできるという。なお、ロボットアームはモジュール式になっており、トリマーヘッドやディスクヘッドに交換して芝生のすみずみまで手入れができるとのことだ。

極めつけは、散歩にも行けず暇を持て余す庭犬に、ボールを投げては持ってこさせる定番の遊びをこなすという点だ。3DCGアニメーションで作られた機能紹介動画では、このボール遊びが紹介されている。ただ、外観があまりにメカメカしいこの草刈り機がボールを投げたとして、犬が喜んで芝刈り機と一緒に遊ぶかどうかは、実際に試してみなければわからない。

結局のところ、この製品は名前の最後に「Concept」の文字がぶら下がっており、あくまで、コンセプトを提示しているに過ぎない。紹介映像で描かれた先進的機能については、将来的に実現されるものもあれば、そうでない機能も出てくるはずだ。

それでも、芝生を植えた大きな庭を持つ人なら、このような製品が発売されれば、興味を持つかもしれない。

なお、NexLawnは「Master X」の価格や発売時期などを資料に示していない。またコンセプトモデルであるため、仮に発売されるとしてもまだ年単位で先の話になりそうだ。

関連キーワード: