いまだに公式発表がないアップルカーのゆくえは…

“アップルカー”の機密情報、元従業員が盗んだと認める

Image:A. Aleksandravicius/Shutterstock.com

かつてアップルに勤務していた元エンジニアが、同社から企業機密を盗んだとして、有罪を認めたことが報じられている。

興味深いのは、この機密が「Project Titan」、すなわちアップル社内で行われている自動運転EV開発計画に関するもの、ということだ。いまだに公然とは明かされていない、いわゆる「アップルカー」にまつわることが法廷で争われたのである。

米FBIが被告のXiaolang Zhang氏を起訴したのは、2018年に遡る。当時、同氏は育児休暇を取って中国を訪問。その後、上司にアップルを辞職して、中国のEVメーカー「小鵬汽車」に転職したいと相談したという。

その言動を上司が不審に感じたことがきっかけで、社内のセキュリティ部門が調査を開始。その結果、Zhang氏のネットワーク活動が過去2年と比べて「指数関数的に増加」していた上に、機密データベースから大量の情報をダウンロードしていたことが判明。さらに社内の録画映像では、ハードウェアの入った箱を持ち出す姿も確認されていた。

また、セキュリティ部門の取り調べでZhang氏は、自分のコンピュータから妻のノートPCに機密情報を転送していたことも認めている。

2015年12月に入社したZhang氏はコンピュータチームに属し、センサーデータを分析する回路基板の設計およびテストを含む複数の製品開発に関わっていた。特に力を入れていたのが自動運転技術「Project Titan」だったのである。

当初Zhang氏は無罪を主張していたが、司法取引に応じて罪を認めたとのことだ。もっとも司法取引の内容については、今のところ秘密とされている。最高で10年の懲役と25万ドルの罰金を科される見込みであり、最終的な判決は11月に下される予定だ。

これとは別にアップルは、もう1人のProject Titan関連エンジニアであるJizhong Chen氏とのの法廷闘争を続けている。こちらは2019年に訴えられたが、いまだに訴訟は初期段階にあり、Chen氏は罪を認めていない。また事件を担当している弁護士は、Zhang氏の件と同じ人物だという。

Zhang氏の訴訟では、ふだんは絶対に出てこないアップル社内のセキュリティ事情が明かされていた。たとえばProject Titanのデータアクセス権限を持つ従業員が約5,000人いて、同氏はより高度なアクセス権が認められた「コア従業員」(約2,700人)だったこと等である。

すでに4年前の事件ではあるが、いまだに公式にアナウンスがない「アップルカー」のゆくえも大いに気になるところだ。

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