どうやって呼び鈴鳴らすんだろう
小包をドア前まで届けるロボット犬、スイスポストがテスト

スイスの国営郵便事業会社、スイスポストは、家庭の玄関先まで小包や食料品を届けるロボット犬の実証試験を開始した。
この試験はスイスポストが、チューリッヒ工科大学(ETH)のスピンオフ・ロボティック企業RIVRなどとの協力によって行うもの。荷物配送の最後の部分をロボットに置き換えることで、従業員の業務プロセスをどのようにサポートできるか推し量るという。
荷物配送ドライバーにとって、重量のある荷物を持ってドア前まで行くことは、その距離や途中の段差や障害物によって、大きな負担になりうる。RIVRはこの実証試験において、配送精度を重視して設計したフィジカルAIを使用し、環境負荷を最小限に抑えながら、顧客玄関先へ直接商品を配達すると述べている。

使用される四足歩行ロボット「RIVR ONE」は、ETHが開発する四足歩行ロボット「ANYmal」のカスタマイズ版で、LiDAR、光学カメラ、GPSなどによって周囲環境を認識し、自律的に動作する能力を備える。
また、奈良の観光地で売られている鹿のお土産のような車輪を足先に装備しており、平坦な場所では走行用として用いることでバッテリー消費を抑えるようになっている。荒れ地や段差のある場所では、ロボット犬は車輪をロックし、歩行モードで移動する。
実証試験はスイス・レーゲンスドルフにおいて行われている。段取りとしては、現地の配送バンに同乗するRIVR ONEが、スイスポストの小包およびオンラインスーパーであるMigros Onlineの食料品の配送を玄関先まで届けるようになっている。ロボット犬はもちろん自律的に荷物を届けるが、まだ見習い期間でもあるため、必要ならば配送員が介添えできるように見守るという。
レーゲンスドルフの市議会は、ロボット工学とインテリジェントシステムが公共サービスの将来に良い影響を与える可能性を認識し、このプロジェクトを行うことを支持しているとのことだ。
なお、RIVR ONEは今年5月には米テキサス州オースティンで荷物配送をテストしており、8月にはチューリッヒでもレストランや小売店からのフードデリバリーの試験を行っている。
もし順調に実用化されるようなら、将来的にUber Eatsなどのデリバリー代行よりも安価なサービスとして普及する未来も来るかもしれない。