アナログの良さを感じられそう
アナログ中判パノラマカメラSasquatch 617、Kickstarterで支援受付中

工業デザイナーのデレク・チャン氏とグラフィックデザイナーのエリー・キム氏が共同開発した、パノラマ撮影ができる中判フィルムカメラが、クラウドファンディングサービスKickstarterでキャンペーンを開始している。
パノラマ写真といえば、おそらく多くの人はスマートフォンのカメラの機能を使って撮影したことがあるだろう。または、画像編集ソフトやアプリの機能で、複数の写真を組み合わせてパノラマ写真を合成したことがあるかもしれない。ただその場合は写真ごとの撮影時間が異なるため、合成するときに風に揺れる木々や砕ける波が不自然になってしまう場合がある。

しかしSasquatch 617は、連続した1枚の絵としてパノラマ写真を撮影するため、動きのあるダイナミックな環境で自然な絵を撮ることができる。
Sasquatch 617のカメラ本体は、ステンレス製の外装フレームと、ポリカーボネートを3Dプリントした成形パーツで構成されており、レンズを装着するとその重量は約1kgになる。

カメラとしてはかなりアナログで、フォーカスリング、背面ドアパネル、フィルム巻き上げ用の手動ノブなどを装備。マグネット式ファインダー、マグネット式シャッターレリーズケーブル、レンズ保護カバーなどはオプションパーツとして用意される。
Kickstarterキャンペーンでは、ロサンゼルスのスタートアップ企業The Sasquatch Cameraによって製造されています。Sasquatch(サスカッチ)という名前は、アメリカ先住民の言い伝えに登場する類人猿のような姿をしたUMA(未確認生物)のこと、ビッグフットという呼び名のほうがよく知られているかもしれない。Sasquatch 617は、カメラの設置面積(フットプリント)が大きいことにちなんでこの名称を付けたのだそうだ。

パノラマ撮影ができるフィルムカメラは、他にもいくつか販売されているが数千ドルもの高額な品だったり、一般的な35mmフィルムでしか撮影できないものだったりする。

だが、Sasquatch 617はわずか499ドルからプロジェクト支援に対するリワードとして入手できる(記事執筆時点)。さらに、35mmフィルムより高い解像感を表現可能な中判の120フィルムが使える。ただし、1度の撮影で通常の写真3枚分のフィルムを消費するため、12枚撮の120フィルムを使った場合、4枚しか撮影できないのには注意が必要だ。そのほか、フィルムの巻き上げはカメラのサイド部分にあるノブを回して巻き上げるようになっている。
なお、Kickstarterでリワードとしてこのカメラを入手した場合、必須のサードパーティ製大判90mmレンズは付属していないことに注意が必要だ。レンズはだいたい数百ドルほどかかる。
Kickstarterのキャンペーンは2025年10月3日まで。すでに当初の目標とする合計支援額は突破している。

- Source: Kickstarter
- via: New Atlas