SteamやGOGからは手数料を徴収しないため

次世代Xboxの価格は「PS6の約2倍」か。高性能チップとSteam対応により

多根清史

Image:esthermm/Shutterstock.com

次世代Xbox(コードネームMagnus)は、次期PlayStationこと「PS6」よりも大幅に高価になる可能性がある一方で、同じAPUを搭載したゲーミングPCでは過去のXboxタイトルがネイティブで動作しない可能性が高いと報じられている。

AMDのリーク情報で知られるKepler L2氏は、AMD Magnus APUが次世代XboxとゲーミングPCの両方に搭載されることを再確認している。マイクロソフトが採用するチップがOEMパートナーにライセンス供与されるのであれば、過去の家庭用XboxタイトルがゲーミングPCで動作するのではないかと期待する声もあった。

しかし実際には、Magnus搭載PCは公式なXbox後方互換機能を持たない可能性が高いという。Xboxコンソール(ゲーム専用機)とPCではライセンス体系が異なり、大手パブリッシャーはコンソール用ライセンスをPC用に変換することに同意しないとのこと。

そのため、Xbox Series X|SやXbox One、Xbox 360などの豊富な後方互換タイトルはXbox専用機でのみ保証される見通しとされる。つまり、Magnus PC上でクラウドを経由せずに過去のXboxタイトルを直接動かすことは、ライセンス上の制約によって封じられるというわけである。

次世代Xboxが高額になるとの予想には、2つの根拠が挙げられている。1つはMagnus APU自体が高性能であり、製造コストが上昇することだ。

このAPUは演算ユニットが68〜70基と、PS6の「Orion」(40〜48基)を上回り、ダイ面積も400平方ミリメートル超の大型になると見られている。そのため、次世代Xboxの製造コストはPS6の約2倍に達し、販売価格は1000ドル(約14万円)以上になるとの予測もある。

さらにマイクロソフトは従来の「ハードは赤字で売り、ソフトのライセンス料で回収する」モデルから、ハード自体で利益を確保するモデルへの移行を検討しているとみられ、高価格帯に踏み切る可能性が指摘されている。

もう1つは、次世代XboxがSteamやGOGといったサードパーティストアを公式にサポートする可能性である。これらのストアからは自社ストアのように30%の手数料を徴収できない一方で、公式対応にかかるコストは増大する。そのため、高価格化の要因になると見られている。

一方で、PS6はソニーが市場浸透を優先し、PS5と同程度かやや高い価格、おそらく600ドル前後に設定するとの見方が有力である。ソニーとマイクロソフトがゲーム市場で直接競合する時代は、まもなく転換点を迎えるのかもしれない。

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