中国市場ではeSIMが事実上禁止されているが
iPhone 17、世界中で「物理SIM廃止」か

アップルは今年のiPhone 17シリーズで、より多くの国において物理SIMカードトレイを廃止し、eSIM専用へ移行する可能性が高いと報じられている。
米MacRumorsの情報筋によれば、EU27か国のアップル認定販売店スタッフは、9月5日までにeSIM対応iPhoneに関する研修を完了するよう義務づけられているという。iPhone 17シリーズの発表は9月9日(現地時間)と見込まれており、その4日前にあたる。
このトレーニング通知は、世界のアップル直営店および認定販売店が使用するSEEDアプリを通じて配信されているため、EU以外にも拡大する可能性があるとみられる。なおSEEDは「Sales Enablement, Education, and Development(販売促進・教育・人材開発)」の略で、商品知識や販売スキルの学習、日常業務に用いられるポータルアプリである。
米国ではすでにiPhone 14以降がすべてeSIM専用であり、物理SIMスロットにはプラスチックのスペーサーが装着され、使用不可となっている。
この動きはiPhone 17シリーズで本格化し、他国でも物理SIM廃止が進む見通しだ。ニュースメディアThe Informationも、2025年には「アップルはより多くの国で物理SIMを廃止することを計画している」との証言を報じていた。
今年は大型のPlusモデルに代わる超薄型の「iPhone 17 Air」が登場すると見られており、完全なeSIM専用になることが有力視されている。カメラ部分を除いた本体の厚さが5.5mmと極薄であるため、物理SIMトレイの内蔵が困難だからである。標準モデルやProモデルでも、国際的にeSIM専用となる可能性は十分にある。
ただし主要市場の一つである中国は例外となるかもしれない。中国政府は厳しい通信規制と実名登録義務を課しており、eSIMのリモートアクティベーションでは本人確認が難しいため、一般的な利用は事実上禁止されている。大手通信キャリアもスマートフォン向けのeSIMサービスを提供しておらず、中国版iPhoneではeSIM機能が無効化されている。
アップルはiPhone 14シリーズ発売当時、eSIMは紛失・盗難時に物理カードを抜き取れないため安全性が高いこと、最大8つのeSIMを同時管理でき海外渡航時などに便利であることを強調していた。旧モデルから新iPhoneへの移行時も、「eSIMクイック転送」により素早く移せるとしている。
- Source: MacRumors