薄すぎてTrueDepthカメラ搭載は無理か
折りたたみiPhone、4カメラ・Touch ID復活・自社設計モデム搭載で2026年発売か

アップルがまもなく折りたたみiPhoneを発売するとの噂が相次ぐなか、信頼性の高いジャーナリストがさらなる詳細を報告している。
BloombergのMark Gurman記者は、自らのニュースレターにて折りたたみiPhoneを2026年に登場する「ゲームチェンジャー」だと述べている。開発コード名は「V68」で、サムスンのGalaxy Z Foldシリーズと同様、本のように開いて内側に大画面ディスプレイを露出させる設計になるという。
また、カメラは合計で4基搭載され、カバー(外側)ディスプレイに1基、内側ディスプレイに1基、そして背面に2基配置されるとのことだ。さらに、生体認証にはTouch IDが採用され、物理SIMスロットは廃止され、自社設計の次期モデム「C2」が搭載されるとされている。
4基のカメラを搭載するのは、どの使用形態でも単体で完結したスマートフォンとして機能させるためだろう。折りたたんだ状態では5〜6インチのカバーディスプレイを備え、通常のiPhoneのように使用できる。この画面にはフロントカメラが配置され、背面にはメインカメラと、もう1基は超広角または望遠カメラになる可能性があるが、現時点では構成は明らかでない。
さらに、展開して約8インチの内側ディスプレイを使用する際には、ディスプレイ内蔵カメラが自撮り用として機能する。このフォームファクターは、サムスンをはじめとする競合他社のブック型(横折り)スマートフォンと共通する設計である。
これまでのiPhoneがすべてFace IDに移行してきたなかで、高価なフラッグシップ機にTouch IDを採用するのは一見すると奇妙に思える。しかし折りたたみiPhoneでは極めて薄型の設計が求められ、折りたたんだ状態でも厚みを抑える必要がある。著名アナリストのMing-Chi Kuo氏によれば、折りたたみ時の厚みは9〜9.5mm、展開時は4.5〜4.8mmになるとされる。
Face IDに必要なTrueDepthカメラシステムは複雑な機構であり、これほど薄い筐体に収めるのは困難である(最薄のFace IDデバイスであるM4 iPad Proでも厚さは5.1mm)。そのため、生体認証はサイドボタンに統合されたTouch IDになると予想される。
さらに今回の記事は、折りたたみiPhoneが画面の折り目(シワ)の軽減やタッチ精度向上のために「インセルタッチ」技術を採用するという、以前の情報を裏付けている。現在の折りたたみ端末の多くが用いる「オンセルタッチ」との違いについては、下記の記事を参照されたい。
Gurman氏によれば、初代モデルのカラーバリエーションは白と黒のみがテスト中とのことだ。価格については同氏は言及していないが、米国では1800〜2000ドル程度になるとの見方があり、サムスンのGalaxy Z Fold7よりも低い水準に収まる可能性がある。