短距離走はまだ人間のほうが速いようです

中国でロボオリンピック開催、ロボマラソン大会に続き。26種目を500体以上が競う

Munenori Taniguchi

Image:CCTV

8月21日より3日間にわたり、北京で「World Humanoid Robot Games(WHRG:世界ヒューマノイドロボット競技会)」が開催された。

この大会はアメリカ、ドイツ、ブラジル、日本を含む世界16カ国から280チーム以上が集まり、26種目の競技に総勢500体以上のヒューマノイドロボットが選手として参加する、いわばヒト型ロボットのオリンピックだ。

競技種目としては、100mや1500m競走を含むいくつかのトラック種目、サッカーや卓球などの球技、ボクシングなどの格闘技といったオリンピックでもお馴染みのスポーツだけでなく、医薬品の仕分け、清掃サービス、産業現場によくある荷物運搬など実務的な種目も含まれていた。

参加した大半のチームは各国の大学を中心とするチームだ。中国の代表的なロボット企業であるUnitreeは、これらの多くのチームにロボットを供給し、参加各チームは主にソフトウェアをカスタマイズして大会に臨んだという。また、そのUnitree自身もいわばワークスチームとして大会に参加し、100m、400m、1500m、4×100mといったトラック4種目で金メダルを獲得した。なお、Unitreeの他にもFournier Intelligenceなどがロボット開発企業のチームに名前を連ねていた。

中国は近年、人工知能(AI)およびロボット開発ベンチャーを支援する多額の助成金や、1兆元(約1370億ドル)規模の基金の設立を計画するなど、この分野への公的資金投入を拡大している。

WHRGも、中国当局がロボット工学の研究開発をさらに推進するための取り組みの一環として、またロボットが各種産業からサービス、エンターテインメントに至るまでその用途を拡大し、ますます重要になる要素としてナビゲーション、知覚、適応性、意思決定などの主要な能力を評価することを目的として開催された。

ちなみに、今回の100m走の優勝タイム33.71秒は、まだまだウサイン・ボルトが保持する人類最速タイム9.58秒には遠く及ばない。むしろトラック競技はロボットを操縦するコントローラーを持って一緒に走るオペレーターの脚力が、その勝敗に影響したかもしれない。

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