価格は800ドルに抑えられる?

Metaの画面付きスマートグラス「Hypernova」は思ったより安くなる?

多根清史

Image:Maxx-Studio/Shutterstock.com

Metaはディスプレイを搭載した最新スマートグラス「Hypernova」を開発中であり、9月のMeta Connectイベントで発表される見通しである。本製品は当初1000〜1400ドル(約13万5000円〜19万円)とされていたが、実際の価格は約800ドル(約11万7000円)に抑えられると報じられている。

BloombergのMark Gurman記者によれば、これはMetaが需要拡大を優先し、利益率低下を受け入れたためだという。ただし、あくまで基本価格であり、本体バリエーションや度付きレンズといったオプションによって、実際の支出は増える見通しとのことだ。

MetaはこれまでもVR/AR製品普及のために、意図的に利益率を抑えてきた。たとえばQuest 3は499ドル〜であり、Apple Vision Pro(3499ドル〜)と比べて圧倒的に低価格である。ザッカーバーグCEOは「将来的にはARスマートグラスがスマートフォンに取って代わる」との持論を示しており、VR事業に数十億ドルを投資している。

すでにHypernovaの仕様は具体的にリークされており、その主な特徴は以下の通りである。

  • 右目レンズの右下に超小型の単眼ディスプレイを搭載し、下を向くと見やすい設計
  • インターフェースはMacのDock風の横並びアイコン式ホーム画面で、写真撮影・閲覧・地図表示・メッセージ通知などが可能
  • 操作はメガネのテンプル部分にある静電容量式タッチパッドと、専用リストバンド「Ceres」によるジェスチャー操作の両方に対応予定
  • カメラ性能はiPhone 13相当(既存のMeta Ray-BanグラスはiPhone 11相当)に強化され、暗所撮影や手ぶれ補正が改善
  • OSはカスタムAndroidベース。アプリストアの内蔵は現時点で予定なし
  • MetaのAI機能を搭載し、メッセージ確認や音声コマンドに対応

なお、「真のARグラス」とされる次世代モデル『Orion』はHypernovaとは別物であり、消費者向け製品とするにはまだ「微調整」が必要とされている。

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