PCからゲーム機への移植コストが激減しそう
次世代XboxとPCの垣根が消える? AMD「Magnus」チップ搭載の「Xbox PC」登場か

次世代Xbox向けに開発されたAMD製APU(CPUとGPUを統合したプロセッサー)「Magnus」がOEMメーカーにも提供され、サードパーティ製の「XboxブランドPC」や「Xbox互換ポータブルPC」が市場に登場する見込みであると報じられている。
AMD関連のリーカーとして知られるKepler L2氏はNeoGAFフォーラムで、Magnusチップが次世代Xboxゲーム機だけでなく「Xbox PC」にも採用され、OEMパートナーにもライセンス供与されることを明言した。
また、別の信頼性が高いインサイダーHeisenbergFX4氏もこれを肯定しており、共通チップの採用によってWindows PC向けゲームの互換性が高まり、開発者の最適化コストが削減されるため、ゲームタイトルのXbox対応が容易になるとの見解を示している。
さらに、未発表ゲーム機のリークで知られるYouTubeチャンネル「Moore’s Law Is Dead」は、次世代Xboxゲーム機とXboxブランドPCの双方に同じMagnusチップを展開できることは、マイクロソフトとAMDの双方にとって大きなメリットになると指摘している。
まずマイクロソフトは、既存のPC向けAMDチップレット設計を活用し、コストを抑えながら大量生産による価格競争力を確保しようとしているという。これにより、XboxハードウェアのR&Dコストを抑制しつつ、AMDとの協業で製品ラインナップを拡充する構想とのことだ。
一方でAMDにとっては、MagnusがCPUとGPUをチップレット構造で分離し、PC向けGPUと共通化した大型GPUダイを採用する設計であるため、PC製品とゲーム機の両方で同じGPUコア設計を共有できる。これによりGPUを個別開発するコストが削減され、大量生産のスケールメリットも得られる。
MagnusチップはTSMCの3nmプロセスで製造されると見られており、生産台数が増えればTSMCと有利な価格で交渉できる可能性がある。また、性能面ではNVIDIAの上位GPUに匹敵することも期待されている。
Xbox Magnusによってゲーム機とPCの設計が近づくことで、短期的にはPCゲームを家庭用ゲーム機向けに最適化するコストが劇的に減少するだろう。
さらに長期的には、CPUとGPUが分離したチップレット構造により、それぞれを独立して製造・更新できるため、新型ハードを短い間隔で投入することが可能になる。これにより従来のゲーム機における世代交代サイクルが崩れ、「ゲーム機」という概念そのものを揺るがすこともありうる。Magnusチップの続報に注目したいところである。
- Source: NeoGAF(1) (2) Moore's Law Is Dead
- via: Wccftech