MacBook Proに先行搭載?

MacBook Pro初の有機ELモデル、2026年後半に登場か

多根清史

Image:Hadrian/Shutterstock.com

アップルは、初の有機ELディスプレイ搭載MacBook Proモデルを2026年後半に発売する見通しだと、韓国メディアDealsite.co.krが報じている。

報道によれば、有機ELパネルの唯一の供給元はSamsung Displayであり、同社はGen 8.6 OLED(有機EL)生産ラインに大規模投資を行っているという。

Gen 8.6 OLEDとは、8.6世代サイズの大型ガラス基板を用いた、ノートPCやモニター向けOLEDパネルの製造ラインを指す。基板サイズは約2290mm×2620mmで、第6世代(約1500mm×1850mm)の2倍以上の面積を持つ。一度に多くのパネルを効率的に量産できるため、製造コストの削減が可能になる。

さらに酸化物薄膜トランジスタ(酸化物TFT)技術を採用することで、低消費電力と高いスケーラビリティを両立できる。このため、MacBook Proのような高性能ノートPC向けディスプレイ供給に適している。Samsung Displayは月産約1万5000枚の生産能力を備えており、MacBook Proの需要を十分に満たせると見られている。

これまでにも、アップルが有機EL搭載のMacBook Proを開発しているという噂は複数の情報源から伝えられてきた。発売時期はおおむね2026年後半と予測されており、先月には調査会社Omdiaも「2026年に初の有機EL版MacBookが登場」と報告していた。このレポートでは「Pro」モデルとは明記されていないが、高価なMacBook Proに先行搭載され、その後数年以内にMacBook Airにも展開されると有力視されている。

有機ELへの切り替えにより、画面の輝度向上、より深い黒と高コントラスト、電力効率の改善によるバッテリー持続時間延長など、多くのメリットが期待される。この移行は2021年以来のMacBook Proの大幅なデザイン刷新の一環であり、薄型化とパフォーマンスの大幅向上も同時に実現するとみられている。

さらに、ディスプレイ上部のノッチ(切り欠き)が廃止され、パンチホール方式(ディスプレイ下にカメラを収納し、視界を確保する穴を開ける構造)になる可能性も報じられている。

BloombergのMark Gurman記者によれば、2025年内にM5チップを搭載した新型Macは登場しないという。次期MacBook Proは2026年にずれ込む代わりに、薄型化を含むデザイン刷新、M5シリーズチップの採用、有機ELディスプレイへの移行という全面的なモデルチェンジになるのかもしれない。