アメリカ製造プログラムの一環として
iPhoneのイメージセンサー、ソニーからサムスン製に切り替えか

アップルは、アメリカ製造プログラム(Apple American Manufacturing Program)の一環として、テキサス州オースティンにあるサムスン社の半導体工場と協力し、「世界でかつてない革新的な半導体製造技術の導入」を目指すと発表した。
英Financial Timesは、この工場で製造するチップは次期iPhoneのカメラ用イメージセンサーであり、これまでの日本・ソニー製から切り替える予定だと報じている。
報道によれば、このチップは三層積層センサーで、複数のセンサー層を垂直に積み重ねる構造を採用する。これにより、ピクセル密度の向上や低照度性能の改善が可能となるほか、読み出し速度の高速化、消費電力の低減、ダイナミックレンジの拡大も実現できるとされる。
製造プロセスにはサムスンの先端技術が用いられ、システムLSI部門が供給、ファウンドリー部門が量産を担当する見通しである。
アップルが独自設計の積層構造イメージセンサーを準備していることは、同社が出願した特許や、テスト用開発機材での評価が進められているとのリーク情報からも裏付けられる。
この動きは、長年ソニーに依存してきたイメージセンサー供給体制からの大きな方向転換となる。さらに、iPhone向けイメージセンサーを米国内で製造する初の事例にもなる。
初の米国製イメージセンサーは、2026年のiPhone 18シリーズに搭載される見込みだ。アップルは通常、最終組立の前に十分な期間を確保して部品検証や量産を行うため、オースティン工場ではすでに初期生産テストの準備が加速していると考えられる。
なお、2023年時点でソニーのスマートフォン用CMOSイメージセンサー売上の55%以上をアップルが占めていたとの調査結果もある。今回の報道が事実であれば、ソニーにとっては大きな打撃となる可能性が高い。
- Source: Financial Times
- via: MacRumors