テンセントはソニーにコラボを打診したが断られたとのこと

ソニーが中国テンセントを提訴。『Horizon』激似ゲームで商標侵害か

多根清史

Image:Tencent

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、米カリフォルニア連邦裁判所にて中国のテンセントを提訴した。自社の人気ゲーム『Horizon』シリーズに関して、テンセントが開発中の新作タイトル『Light of Motiram』が著作権および商標権を侵害していると主張している。

『Light of Motiram』は2024年11月に発表され、Steam上にはすでに製品ページが存在し、公式トレーラーもYouTubeで公開されている。

問題とされているのは、『Horizon』シリーズ特有の要素、すなわちポストアポカリプスの世界観、人類と機械が共存する設定、赤髪の女性主人公、部族風の衣装や独特のマーキング、そして巨大なロボット動物などが「ほぼ丸ごとコピーされている」という点である。

訴状によれば、テンセントはかつてSIEに対して正式に『Horizon』のIP使用許諾を申し入れていたという。提案内容は、「東洋的な美学」や「サバイバル、クラフト、ペット飼育、マルチプレイヤーゲームモード」など(いずれも『Horizon』シリーズには存在しない要素)を取り入れたモバイルゲームであった。これをSIEが拒否した後、テンセントは『Light of Motiram』を正式に発表し、先述のビジュアルやメカニクスを盛り込んだとされている。

それら類似点は、訴状でもビジュアル的に確認できる。

実際に『Light of Motiram』が初めて公開された際、海外のゲームメディアやファンの多くは、その内容が『Horizon』シリーズに「非常に酷似している」と指摘していた。今回の訴状においても、SIEは「Horizon Zero Originality(独創性ゼロ)」と揶揄するニュース記事やSNS上のコメントを引用している。

SIEは損害賠償とともに、『Light of Motiram』の開発および発売の差し止めも求めている。記事執筆時点では、テンセントおよびSIE双方からの公式コメントは発表されていない。

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