全モデル120Hz対応にともなう差別化か

iPhone 17 Pro、“数十億ドル費やした”反射防止&耐傷性ディスプレイ搭載か

多根清史

Image:Wongsakorn 2468/Shutterstock.com

今年秋、アップルは超薄型の「iPhone 17 Air」を発売する見通しである。この新モデルは従来のPlusモデル、つまり大型の標準モデルに置き換えられ、価格も抑えられつつ、Proモデルと同じProMotion(最大120Hzの可変リフレッシュレート対応)画面が搭載される可能性が高い。その点で、Proモデルは大きな差別化要因を失うことになる。

その代わり、「iPhone 17 Pro」や「iPhone 17 Pro Max」には、新たに反射防止かつ傷がつきにくい特殊なディスプレイ技術が搭載される可能性があると複数の情報源が伝えている。

MacRumorsの「信頼できる情報筋」によれば、アップルのサプライヤーは「反射防止ガラスの量産に十分な高い歩留まりの達成に成功した」という。この新技術はiPhone 17 Pro/Pro Maxにのみ搭載され、iPhone 17やiPhone 17 Airには搭載されない見通しだ。

この噂は、今年3月に著名リーカーである刹那数码(Instant Digital)氏が述べていた内容と符合している。同氏は中国SNSのWeiboにて「アップルは日本製コーティング装置に数十億ドルを費やし、中国サプライチェーンに引き渡した」「iPhone 17シリーズの外側ガラスは超硬質(反射防止)層に加工される。iPhone 17シリーズは思った以上に傷がつきにくい」と投稿していた。

すでにアップルは反射を抑えるNano-textureガラスをM4 iPad ProやiMac、MacBook Proにオプションとして採用している。だが、この技術はナノレベルでのエッチング加工に過ぎず、現行iPhoneに使われるCeramic Shieldより柔らかく傷がつきやすい。超硬質かつ反射防止であればコストも高くなりそうだが、MacやiPadより画面サイズが小さいiPhoneならば採算は取れるのかもしれない。

なお、iPhone 17シリーズ全モデルがProMotion対応となるかについては、情報が分かれている。中国の著名リーカー定焦数码(Fixed Focus Digital)氏は、標準モデルは「標準的な120Hzの画面」(可変リフレッシュレートではない)だとして否定している。

一方、信頼性の高いIce Universe氏は全モデルがLTPO(低温多結晶酸化物)ディスプレイになると主張。LTPOは従来のLTPS(低温ポリシリコン)では不可能なきめ細かい自動可変リフレッシュレートを実現する技術であり、標準モデルもProMotion対応になることを意味している。

さらに、iPhone 17 Proに搭載される「A19 Pro」チップは、性能向上よりもバッテリー持ちを優先するとの噂もある。すでにスマートフォンの性能が過剰となりつつあるなか、アップルはProモデルで長時間使用と堅牢性を重視する方針なのかもしれない。

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