Googleの広告ビジネスにとって脅威になる可能性
OpenAI、「AI搭載ブラウザ」数週間内に公開か。Google Chromeの脅威となる可能性

ChatGPTで知られるOpenAIが、Google Chromeに対抗するAI搭載ウェブブラウザを数週間以内にリリースする予定だと報じられている。
これは米Reutersが、この件に詳しい3人の関係者の証言をもとに、独占情報として伝えたものである。新ブラウザはAIを活用し、ウェブ閲覧体験そのものを根本的に変革することを目指すとという。
特徴は、ユーザーの操作の一部を、ChatGPTのようなチャットインターフェース内で完結できることだという。Google ChromeやMicrosoft Edgeと同じく、Chromiumベースで開発されているとのことだ。
また、OperatorなどのAIエージェントを統合することで、ブラウザがユーザーに代わって各種タスクを実行する機能も備える予定だ。たとえば、レストランの予約やウェブフォームの自動入力といった処理を、AIが直接行う。こうした機能は、通常のサードパーティ製ブラウザ拡張機能では実現が難しい。
OpenAIが独自ブラウザの開発に踏み切った背景には、ユーザーデータへの直接的なアクセスを強化したいという狙いがあるようだ。これは、GoogleがChromeを通じて収集する膨大なデータを広告事業に活用しているモデルへの挑戦でもある。
現在、Google Chromeは全世界で30億人以上のユーザーを抱えており、ブラウザ市場の3分の2以上を占めている。それに対してChatGPTの週間アクティブユーザー数は、2025年4月時点で8億人に達している。OpenAIの新ブラウザが普及すれば、Googleの広告収益モデルにとっては深刻な脅威となる可能性がある。
また、OpenAIは最近、サム・アルトマン氏とジョニー・アイブ氏によるハードウェアスタートアップ「io」の買収を完了し、LoveFromがOpenAIのデザインおよびクリエイティブ面に深く関与することも発表したばかりだ。今回の独自ブラウザ開発にも、彼らの影響が及んでいる可能性がある。
一方で、競合他社もAI搭載ブラウザを相次いで発表しており、Perplexity、The Browser Company、Braveといった企業がすでにAI機能を統合した製品を展開している。米司法省にChrome事業の売却を求められ、先行き不透明なGoogleに対するAI企業の攻勢は今後ますます強まりそうだ。