問題が解決するまでは、ゲームを起動しない報が良いかも

Activisionが『CoD : WWII』を配信停止。ゲーム中にプレイヤーPCがハッキング?

Munenori Taniguchi

Image:Activision

大手ゲーム開発会社のActivisionは、人気ゲーム『Call of Duty : WWII』の配信を停止した。対象はMicrosoft Store版とPC Game Pass版だが、Steam版やBattle.net版はビルドが異なるため引き続きプレイ可能となっている。Microsoftは、月額制のPCゲーム遊び放題サービスである「PC Game Pass」で、本作の配信を開始したばかりだった。

また、記事執筆時点で、『Call of Duty: Black Ops 6』『Call of Duty: Modern Warfare II』『Call of Duty: Modern Warfare III』『Call of Duty: Warzone』で「接続性の問題」が発生しているとActivisionは告知しているが、ハッキングとの関連は不明だ。

事情に詳しい匿名の人物はTechCrunchに対し、ハッキング被害のためゲームをオフラインにし、問題の修正に取り組んでいると語った。

Activisionは先週、同ゲームのMicrosoft Store版のサーバーをオフラインにしたと発表した。このときは、報告のあった問題について調査中としていたが、具体的にどんな報告があったのかは明かしていない。

ただ、一部ユーザーはプレイ中に勝手にメモ帳アプリが起動されたり、PCデスクトップの壁紙をActivision関係者の顔写真に変更されたりしたと報告した。その内容から見て、どうやらハッキングをした人物にいたずら以上の目的はなさそうだ。

インターネットフォーラムのRedditには先週、あるプレイヤーが「このゲームは現在RCEエクスプロイトが存在するため、PCで安全にプレイできない」と投稿していた。RCE(Remote Code Execution:リモートコード実行)エクスプロイトとは、マルウェアを何らかの形で標的のPCに仕込み、悪意ある者が遠隔からそのPCを乗っ取るような操作を可能にするハッキングプログラムだ。

CoDのハッキング被害と言えば、2024年11月には、同シリーズで使用されている不正プレイ防止プログラム、いわゆるアンチチートの欠陥がハッカーに突き止められ、数千人の正規プレイヤーのアカウントが停止させられるという、比較的大きな問題が発生したのが記憶に新しい。

2023年にも、『CoD:Modern Warfare』⁠のプレイヤーが、同作に長年放置されたままだった未修正バグを突かれ、ワームと呼ばれる自己拡散型のマルウェアによるハッキング被害に遭っている。

近年、CoDのようなオンラインマルチプレイヤーゲームでは、プレイの公平性を損ない、不正にゲームを有利にするためのチートと呼ばれる不正プログラムを使用するチーターの横行が問題視されている。これに対抗するため、ゲーム会社はアンチチートシステムの改良などの対策に追われている。

しかしActivisionは、マイクロソフトによる買収のゴタゴタもあったここ数年のうちに、複数回にわたるリストラを実施しており、セキュリティ対策チームの体制にも影響が及んでいる可能性が指摘されている。

関連キーワード: