助手席の安全監視員が止めた?
テスラのロボタクシー、駐車場で横のクルマに自ら接触、幸いにもけが人なし【動画】

6月22日にテキサス州オースティンでサービスを開始したテスラのロボタクシーサービスだが、すでに複数回の交通違反や安全上の問題の発生が報告されている。
さらに7月3日にYouTubeに公開された動画では、ロボタクシーの車両がピザ店の非常に混雑した駐車場で、駐めてあったトヨタ車に自ら接触し、傷を付けてしまう様子が収められている。
問題のシーンを見れば、駐車場で乗客を降ろしたロボタクシー用のModel Yが、すぐ左横に駐車しているトヨタ・カムリのほうになぜかハンドルを切り、そのままボディが接触するまでそろそろと進んでしまっているのがわかる。
激しくぶつかるような接触ではなかったため、ぶつけられたカムリのほうはタイヤまわりに軽い傷が付いた程度で、けが人などもなかった。ただどういうわけか、Model Yにはすぐ横にいるクルマが見えていないかのようだった。
投稿者は、動画の説明で「おそらく(助手席に乗っている)安全監視員がModel Yを止めたのだと思う」と述べている。
Waymoなどの自動運転車は、車体の周囲状況をリアルタイムかつ詳細にデータとして取り込むため、LiDARやレーダーなどのシステムを使っている。
だが、テスラの場合は、イーロン・マスク氏による、人間は目で見た情報を脳で処理して自動車を運転しているのだから、自動運転車もカメラの情報をAIで処理すれば十分実現可能だとの主張のもと、LiDARなどの技術を省略している。そのため、テスラは逆光や濃霧、緊急車両などの回転灯・フラッシュライトなどによって事故や何らかの問題が起こりやすい可能性が指摘されている。
実際、ロボタクシーもサービス開始当日から反対車線を走行したり、道端に止まっているパトカーに過剰反応したりといった落ち着かない様子が、動画でSNSやYouTubeに投稿された。
これにともない、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)はいくつかの事案と、ロボタクシーサービスの展開そのものについての調査を開始した。そして、調査に関する報告書や関連情報の評価により、道路上の安全維持のために必要な措置を講じると述べている。
他の自動運転配車サービスを提供する企業、たとえばWaymoは、新規エリアで自動運転配車サービスを展開する際、事前に有人で約半年、無人でも約半年のテスト走行期間を経てからサービスを開始している。
しかし、テスラがオースティンで行った事前のテスト走行は数日間程度であり、車内には同社のオペレーターが搭乗した状態であったことが目撃されている。
そのためか、テスラはロボタクシーの開始において、まずは約10台という少ない台数で、さらに運転席には誰も乗っていないものの、助手席に同社の安全監視員が乗るという不思議な方法でサービスを開始した。ちなみにこのサービスは、まずはテスラによって招待された株主やインフルエンサー、テスラオーナーなどに限定してサービスを提供している。
- Source: Dirty Tesla(YouTube)
- via: Engadget PCMag