トランプ大統領の大きく、美しい法案に反対しています

イーロン・マスク、新政党の結党を表明。支持者は富裕層ばかり?

Munenori Taniguchi

Image:Anna Moneymaker/Shutterstock.com

大富豪のイーロン・マスク氏は、政府効率化省における130日の臨時政府職員期限終了と、ドナルド・トランプ大統領の国内政策法案であるBig, Beautiful Bill、いわゆる「大きく、美しい法案」を巡る仲違いのため、政府での役割から離れていた。

だがこの週末、マスク氏はトランプ法案が成立するようならば、共和党と民主党の2大政党の間に割って入るべく、第三の政党を結成すると表明した。マスク氏は、トランプ法案が連邦政府の赤字を数兆ドルも膨れ上がらせる「史上最大の債務増加」を引き起こすとし、DOGEの活動が水泡に帰すと考えている。

そして、「無駄遣いと汚職で国を破産させる事に関しては、我々は民主主義ではなく一党独裁体制の下に生きている」と自身が所有するSNSのXに述べ、「今日、アメリカ党は皆の自由を取り戻すために結成された」と宣言した。

いつもの如く、これはマスク氏による無計画な発言かと最初は思われたが、一夜明けると、マスク氏がXで「アメリカ党」が「二大政党制からの独立」を目指すと述べたことに対して、マスク氏同様の億万長者であるマーク・キューバン氏や、投資銀行家のアンソニー・スカラムーチ氏らがマスク氏の投稿に好意的な反応を返した。

スカラムーチ氏は、2017年の第1期トランプ政権発足時に、ホワイトハウスの広報部長に任命された人物だ。ただし、就任から10日後にキューバン氏は解任され、その後は民主党支持に鞍替えして、2024年の大統領選挙ではジョー・バイデンおよびカマラ・ハリス氏を支持する立場をとった。

一方、キューバン氏も先の大統領選挙ではハリス氏を指示しつつ、自身も民主党候補の副大統領候補に名乗りを上げていた。

なお、マスク氏は2026年に行われる中間選挙「上院で2~3議席、下院で8~10選挙区」の獲得を目指すとの考えを示している。記事執筆時点では、米連邦選挙委員会への提出書類の中にはマスク新党に関する文書もすでに発見されているものの、 DOGE党やアメリカン・ミーム党などといった、明らかにふざけた政党名を申請するものもあり、マスク氏が本当に新党の結党に必要な書類を提出したのかどうかはわかっていない。

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