安全第一
テキサスのSpaceX施設でクレーンが倒壊、労働安全衛生局(OHSA)が調査へ

現地時間6月24日に発生した、テキサス州のSpaceXの施設でのクレーン倒壊事故について、米労働安全衛生局(Occupational Safety and Health Administration:OHSA)が調査入りしたと報じられている。
倒壊の瞬間は、SpaceX施設を定点観測しているYouTubeチャンネルLab Padreが捉えていた。だがCNBCが伝えるところでは、現地時間27日の時点で、SpaceXはこの事故による死傷者があったのたかどうかを明らかにしていない。
マスク氏をはじめとする同社幹部はコメント要請に応えていないが、OSHAの広報担当者はCNBCに対し、調査が完了したらさらに詳しい情報が得られるだろうと語った。
SpaceXでは、社内での負傷事故件数が業界平均を上回っている。2014年には死亡事故も報告されており、当時の調査でOHSAは、SpaceXが予想される危険への安全対策をきちんとしていなかったことが原因だと結論づけた。
今年初め、トランプ政権が連邦政府の規模縮小を目指してマスク氏主導で進めている政府効率化局(DOGE)は、労働安全衛生局(OSHA)の資源を削減し、少なくとも11の地方事務所を閉鎖した。
これに関しては、マスク氏が連邦政府機関の予算や人員を削減し、特定の規制を撤廃させることで、企業に対する法的な調査と執行能力を制限しようとしたという、穿った見方もあることをCNBCは伝えている。
今回発生したクレーンの倒壊事故は、同社の巨大ロケット兼宇宙船であるStarship Super Heavy が打ち上げ試験の準備中に爆発を起こした事故につづくものだ。倒壊発生時、クレーンはロケットのデブリなどを片付けていたとされている。
Starship Super Heavyは史上最大のロケットといわれ、マスク氏の長年の夢である火星への入植実現のため、機材と人員を輸送することを目標として開発が行われているが、これまでのところ、試験飛行に関してはあまり良い結果を残していない。
もっとも、SpaecXは失敗を重ねることで開発を加速する開発手法を用いていることは、Falcon 9ロケット開発の頃から知られている。ただ、Starshipの規模になると、打ち上げ直後に上空で爆発したり、施設内で爆発したりといった場合でも、施設外の周辺地域にデブリや有害な物質が降り注ぐ可能性もあり、自然環境への影響を危惧する声も聞かれる。SpaceXはSNSで、6月18日の直近の爆発では、自社の活動が周辺地域に被害を与えていないと述べた。
- Source: CNBC