発売は2027年〜2028年頃の予想

噂のPS5ポータブル、16GB RAMと大容量キャッシュとAIでPS5ゲームをネイティブ動作か

多根清史

Image:Barone Firenze/Shutterstock.com

ソニーが開発中と噂される新型PlayStation携帯ゲーム機について、著名リーカーが新たなスペック情報を明らかにしている。

今回の情報源は、AMDの未発表製品に詳しいKepler L2氏であり、同氏はゲーム関連フォーラムNeoGAFにて次世代PlayStationに関する複数の予想スペックを投稿している。同氏はPlayStationの次世代モデルは2つあり、うち1つは携帯型としつつ、予想スペックを何度か発信してきた

この携帯型モデルは、AMD製のAPU(CPUとGPUを統合したプロセッサ)を採用し、しばらくの間、AIアップスケーリング機能を備えた唯一のAMD搭載モバイルゲーム機になる見通しだとされている。これにより、解像度や設定を抑えるかたちではあるが、PS5タイトルのネイティブ動作が可能となるという。

なお、他のOEMメーカーやAMD自身が同様のモバイルAPUを投入する予定は当面なく、次にOEM向けの新しいZシリーズAPUが登場するのは2029年以降になる可能性が高いとのこと。先日、最新のAI Z2 Extremeが発表されたばかりだが、後継製品の投入は一時的に見送られるようだ。

さらにPS5ポータブル(仮称)には、16GBのLPDDR5Xメモリが搭載される見通しである。容量としては現行のPS5と同等だが、メモリ規格はGDDR6ではなくLPDDR5Xに変更される。帯域幅はPS5の標準モデルと比べておよそ3分の1、すなわち約150GB/s程度と見られているが、これを補うために4MBのL2キャッシュと16MBのMALLキャッシュが搭載されるとされる。

特にMALLキャッシュは、現行のPS5やPS5 Proには搭載されていない新技術であり、メモリ帯域の制約を補完する重要な役割を果たすと見られている。また、PS5およびPS5 Proでは、低消費電力モードの実装が進行しており、クロックダウンや帯域幅の削減を通じて消費電力を抑える仕組みが構築されつつある。こうした設計が、将来的に携帯型ゲーム機のパフォーマンスプロファイルとして転用される可能性も指摘されている。

そしてKepler L2氏は、PS5ポータブルおよびPS6の双方が、AMDの次世代アーキテクチャ「RDNA(またはUDNA/gfx13)」ベースとなり、1CU(コンピュートユニット)あたりのグラフィック効率が大幅に向上すると述べている。

マイクロソフトとASUSも、2025年内に携帯ゲーミングPC「ROG Xbox Ally」および上位モデル「Ally X」を市場投入する予定だ。しかし、これらのモデルにはAIアップスケーリング機能や大容量キャッシュといった要素は搭載されない見込みだ。

その一方で、マイクロソフトはWindows 11自体の携帯ゲーム機向け最適化と、パートナー企業との共同開発を重視しており、2027年頃に予定していた自社製携帯ゲーム機の開発計画を一時棚上げにしたと報じられている

PS5ポータブルについても、発売時期は2027年〜2028年頃が有力視されており、少なくともあと1〜2年は目立った動きはないと見られる。その間は、携帯ゲーム機市場においてNintendo Switch 2の独走状態が続くことになりそうだ。

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