先にプレビュー発表、数か月後に発売?

アップル新OS「homeOS」、商標出願が発見。WWDCで「HomePad」発表か

多根清史

Image:DenPhotos/Shutterstock.com

長らく噂されてきたアップルの新型OS「homeOS」が、ついに正式発表される可能性が高まっている。これは、米メディアMacRumorsが報じた商標出願情報により明らかとなったことだ。

「HOMEOS」という名称は、実体のないペーパー会社と思しきHome Operations Suite LLCにより、2024年10月にリヒテンシュタインで優先出願された。その後、2025年4月には米国、アルゼンチン、ペルーなど複数の国でも追加出願されている。

リヒテンシュタインではすでに登録が完了しているが、他国では現在も審査中とのことだ。米国においても、同じ企業が4月16日に商標登録を行っており、これについては米9to5Macも確認している

この商標登録にアップルが関与しているという確たる証拠はまだない。しかし、過去に未発表製品の知的財産を保護する目的で、アップルが類似の手法を用いてきた前例は多い。たとえば、Apple Vision Proの発表前には「visionOS」が商標登録されており、またmacOSの過去バージョン名「Yosemite」や「Sierra」なども、ペーパー会社による先行出願が行われていた

「homeOS」という名称は、すでに数年前からアップルの求人情報や、tvOS 17.4のコード内でも確認されていた。このことから、アップルが開発中とされるスマートホームハブ、すなわち画面付きHomePodのためのソフトウェアプラットフォームになる可能性が指摘されている。

このスマートホームハブは、iPadのような正方形の画面を持ち、スピーカー内蔵のドックに装着したり、壁に設置したりできる設計であると噂されている。主な用途としては、スマートホーム機器の集中操作、FaceTimeによるビデオ通話、自宅内のインターホン機能、ホームセキュリティカメラとしての利用などが伝えられている

今年3月には、著名アナリストのMing-Chi Kuo氏が、この画面付きHomePodの量産が2025年第3四半期に開始されると述べていた。しかし、実際の発売時期は依然として不明であり、Siriのパーソナライズ機能の開発遅延も相まって、2026年以降にずれ込む可能性もあるとされる。

なお、画面付きHomePodが6月開催のWWDCで発表されるとの見方もある。一方で、BloombergのMark Gurman記者は、アップルが新型デバイスを出荷する準備が整っていないため、ハードウェアの発表は今回のWWDCでは行われない可能性が高いとの見解を示している

とはいえ、過去にアップルは、Apple Vision ProをWWDCでプレビュー発表したのち、数か月後に発売したこともある。今回もまた、「HomePad(仮称)」や「homeOS」を先行して披露するという展開は、十分に考えられるだろう。

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