独立した立場の取締役も迎えるよう求めています
テスラの投資家が、マスク氏に「週40時間会社で働け」と書簡送る

長年テスラに投資してきた、9500億ドルの資産を持つ12の大手年金基金が、イーロン・マスク氏に対して週40時間真面目にテスラで働くよう要求する公開書簡を送付した。
投資家らは、最近のテスラの極端な株価変動、売上減少さらには社内での人権問題に関する話題が取り沙汰されていること、そして世界的な評判の凋落ぶりに対して、深刻な懸念であると指摘している。
こうした懸念を引き起こしている原因は、簡単に言えば、今年になってトランプ政権に片足半ほどを突っ込んであれこれやってきたイーロン・マスクCEOによる利益相反にあると考えられる。
テスラのブランド価値と評判は昨年から下落が続いているが、その主な原因はマスク氏の扇動的な暴言や、政治活動における利益相反だと言えるだろう。マスク氏はドナルド・トランプを再びホワイトハウスに送り込むために3億ドル近くを注ぎ込み、トランプ政権発足後は、今年のドイツ議会選挙を前に、ドイツの極右政党AfDを正式に支持すると表明している。
投資家らは、いい加減MAGAの帽子を脱いで「テスラへのフルタイムの注力をマスク氏に要求することで、テスラ株主全員の利益のために行動しようという意志・関心がまったく見えてこない」取締役会を非難している。そして、マスク氏の将来の報酬条件には、最低でも週40時間の「明確な時間的コミットメント」を含めるよう求めた。また、個人的なつながりのない独立した立場の取締役を最低でも1人、取締役会に加えることも、書簡で求めている。
テスラはかつて、Axiosが行った「最も注目されている米国企業100社」の世論調査で、第8位にランクされていた。しかし同じ調査の最新版では、テスラは95位にまで落ち、ライバル自動車メーカー6社に先を行かれてしまっている。また、今週発表された情報によると、テスラの4月の欧州全域での月間販売台数は、昨年同期のほぼ半分にまで落ち込んだ。
なお、マスク氏は今週、テスラに加えてxAIとスペースXを含む自身の事業にもっと集中するつもりだと述べた。これは4月末のDOGEでの活動を週1~2日に引き下げるとの発言につづくものだ。
テスラは今回の書簡に対するコメントを出していない。