増え続けるIDとパスワードの管理をしたくないなら便利かも

OpenAI、「ChatGPTアカウントでログイン」を検討中。プレビュー版を開発者に公開

Munenori Taniguchi

Image:Tada Images/Shutterstock.com

OpenAIは、ChatGPTのアカウント情報を使ったウェブページやサービスへのログイン機能を提供する方法を検討中であることを明らかにした

OpenAIは現在、このサービスを自社のアプリに統合したいと考えている開発者の関心を調査している。

いまやChatGPTの人気は月間のアクティブユーザー数が約6億人というレベルに達しており、OpenAIはこのユーザー認証情報を、オンライン販売サイトやSNS、個人向けのデバイスといった自社以外の消費者向けサービスや製品にも利用可能とすることで様々な分野への影響力拡大を考えている模様だ。

Single Sign On(SSO)と呼ばれるこのような認証の仕組みは、Googleやアップル、マイクロソフトなどが提供している。ユーザーにとっても、あちこちのウェブサイトやサービスを利用するたびに、個別のユーザーIDやパスワードなどの認証情報を覚えたり書き留めたりしておく手間が省けるメリットがある。

では、OpenAIにとっては、ユーザー認証機能を提供ことでどんな利点があるのだろうか。考えられることとしては、上に述べた約6億という膨大なユーザーベースに、利便性とより統合されたインターネット体験を提供できるというところ。また、より戦略的なメリットとしては、様々なプラットフォームを横断してOpenAIの存在感を高め、消費者のオンライン活動にChatGPTを軸としてさらに深く関わっていくことが可能になることが挙げられる。

OpenAIは今月初め、同社のAIコーディングツール「Codex CLI」で、開発者向けに「ChatGPTでサインイン」機能のプレビュー版を公開した。またこのプレビュー版を試す開発者には、ChatGPT Plusユーザー向けに5ドル分、ChatGPT Proユーザー向けには50ドル分のAPIクレジットを提供している。

OpenAIのサム・アルトマンCEOは一昨年、「2024年にも『OpenAIでサインイン』機能を検討する可能性がある」と述べていた。当時のアルトマン氏の考えからやや遅れたが、今やOpenAIはこの機能を本気で提供するつもりのようだ。とはいえ、まだ「ChatGPTでサインイン」機能はプレビュー版であるため、この機能をユーザーがいつ利用可能になるのか、参加する企業がどのくらいいるのかは、まだわからない。

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