成立すれば最も未成年へのSNS規制が厳しい州に
米テキサス州「18歳未満の若者はSNS禁止」法案を近く採決へ

テキサス州はあと1週間あまりで州議会の会期が終了するが、その前に18歳未満の未成年によるソーシャルメディアの利用を全面的に禁止するという法案を採決する予定だ。
この法案は、すべてのソーシャルメディアプラットフォームに対し、アカウントを開設するすべての人の年齢確認を義務付けるものだ。保護者はプラットフォームに対し、未成年の子供のソーシャルメディアアカウントを削除するよう要請可能になり、プラットフォーム企業側も、求めがあれば10日以内に削除することが義務付けられる。
法案では、未成年のアカウントを削除しなかった場合、これを「欺瞞的な商行為」とみなし、州司法長官による罰金に加え、損害賠償訴訟の対象になる可能性が発生する。テキサス州下院はこの法案をすでに可決しており、州上院も可決する見込みとなっている。
米国では言論の自由をめぐる激しい議論がある一方で、このような政策が支持者の最優先事項である「アメリカの若者のメンタルヘルス向上」への効果的な手段になり得るのか否かも議論されており、テキサス州以外でも、同様の規制を検討しているところもあるとCNBCは伝えている。
今回の法案と同種の法律としては、フロリダ州の共和党選出知事であるロン・デサンティス氏が14歳未満の児童によるソーシャルメディアプラットフォームへの参加を禁止する法案に署名したことが話題となった。これにより、フロリダ州はこのような禁止措置を施行した最初の州になった(今年3月より施行)。なお、フロリダ州では14歳または15歳の少年がプラットフォームに参加する際には、保護者の同意を得ることも義務付けられた。
ほかにも、18歳未満の人がソーシャルメディアアカウントを開設する際に親の同意を義務付ける法案を可決した州としては、ネブラスカ州やコネチカット州がある。
だがもし、テキサス州でこの法案が成立すれば、米国の州レベルのソーシャルメディアプラットフォームに対する規制としては、最も厳しいものになるはずだ。
もちろん反対の意見もあり、一部の学生擁護団体などは、この法案が言論の自由を侵害するものだとの意見を述べ、「学生(生徒)たちにソーシャルメディアを上手に使う方法を教え、時間の使い方を工夫するよう教えるべきだ。ソーシャルメディアを禁止するのではなく、学生(生徒)が上手に使っているときには積極的に褒めるべきだ」とし、いまソーシャルメディアツールを禁止すれば、将来的に学生に悪影響を与える可能性があると主張している。
アメリカ自由人権協会の上級弁護士ベラ・アイデルマン氏は、この法案は本質的に若者から情報と会話の世界全体を遮断するものであるため、憲法修正第1条にかかわる深刻な問題だと述べた。
- Source: Texas House Bill 186
- via: CNBC Engadget