Recall機能はいろんな面で波紋を起こしています

SignalがWindows 11の自動スクショ機能「Recall」を回避するアップデート配布

Munenori Taniguchi

Image:Signal

メッセージングアプリのSignalは、 Windows 11に追加された「Recall」機能による自動スクリーンショットを回避するためのアップデートをリリースした。

Windows 11のRecall機能は、マイクロソフトが提唱する「Copilot+ PC」に適合するPCにおいて、5分ごとにスクリーンショットを保存し、ユーザーがPCで何をしていたか履歴を後から調べられるようにする機能のこと。

しかし、Signalのような秘匿性の高さをウリにしているアプリやサービスの場合は、使用中のスクリーンショットを勝手に残されては都合が悪いケースもあり得る。

そのため、SignalはWindows 11用クライアントをアップデートし、スクリーンショットが動作するとSignalのウィンドウに何も表示されなくなる保護機能を追加した。これは、Netflixなどの動画ストリーミングサービスや、テレビチューナーアプリで映像を視聴中にスクリーンショットを取ろうとしてもできないようになっているのと同じDRMの仕組みを使った機能だ。

Signalは、この機能を「Signal設定 > プライバシー > 画面セキュリティ」で簡単に無効化できるとしている。

開発者のジョシュア・ルンド氏は、マイクロソフトに対して「OSレベルのAIシステムによるアプリ内の機密情報へのアクセスを防止するために、Signalのようなアプリの開発者が必要とするツールやオプションを常に利用できるようにすべきだ」と述べた。

Windows 11のRecall機能は、その「写真記憶」という特性からセキュリティとプライバシーの面で大きな問題になる可能性が指摘されている。これに対し、マイクロソフトはウェブブラウザーがシークレットモードやプライベートモードで使用されている場合は標準でスクリーンショットを取得しないようにした。さらに、ユーザーが自らスクリーンショット取得を許可しないアプリを設定することもできるようにもした。

だが、大半のユーザーはその細かな設定を変更するのは難しいかもしれない。また、ルンド氏は「Signalは現時点で利用可能なツールを使用しているが、スクリーンショットを撮る必要がある正当なケースも数多くあることを認識している」と述べている。

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