将来的にパワーアップする余地あり

 Nintendo Switch 2の全仕様が明らかに。CPU、GPU、メモリなど完全網羅

多根清史

Image:Casal Design/Shutterstock.com

ビデオゲーム技術の専門集団Digital Foundryは、Nintendo Switch 2(以下、スイッチ2)の詳細なシステム仕様を公開した。これらの仕様は、以前のリーク情報とほぼ一致しているようだ。

それによれば、スイッチ2の主な仕様は次の通りだ。

CPU仕様

  • ARM Cortex A78Cプロセッサ(8コア構成)
  • 6コアはゲーム開発者が使用可能、残り2コアはOS用に予約
  • 動作クロックは携帯モードで1101MHz、ドックモードで998MHz(携帯モードの方が高いのは特異)
  • 理論上の最大クロックは1.7GHz

GPU仕様

  • NVIDIA Ampereアーキテクチャ(RTX 30シリーズ相当)
  • 1536基のCUDAコアを搭載
  • 動作クロック:携帯モード561MHz、ドックモード1007MHz
  • 最大クロックは1.4GHz
  • 推定性能:ドックモード約3.072 TFLOPS、携帯モード約1.71 TFLOPS
  • レイトレーシング性能:携帯モードで10ギガレイ/秒、ドックモードで20ギガレイ/秒

メモリとストレージ

  • 12GB LPDDR5Xメモリ(6GBモジュール×2)
  • メモリ帯域幅:ドックモードで102GB/s、携帯モードで68GB/s
  • システム予約3GB(開発者は9GB使用可能)
  • 内蔵ストレージ256GB(UFS)、最大2TBのMicroSD Express対応

ディスプレイ

  • 7.9インチ広色域LCD(解像度1080p)
  • HDR10に対応
  • 最大120Hzの可変リフレッシュレート(VRR、本体ディスプレイ限定)
  • 静電容量式10点マルチタッチに対応

その他の仕様と特徴

  • カスタム設計のFDE(ファイル圧縮解除エンジン)により、データ解凍を高速かつ省電力で処理
  • HDMI出力はVRRに非対応(Display Port→HDMI変換チップがVRRをサポートしていないと推測)
  • 新チャット機能「GameChat」は一部のCPUキャッシュ帯域を使用するため、パフォーマンスへの影響がある可能性あり
  • DLSSは複数オプションに対応(DLAA、1x、2x、3x:PCでのQuality、Balanced、Performance相当)

注目すべきは、初代スイッチと比べて大幅に拡張されたメモリ帯域幅である。ドックモードでは約4倍、携帯モードでは約3倍の転送速度を誇る。さらに、初代モデルの携帯時GPUクロック(307MHz)に比べ、スイッチ2は561MHzと大幅に向上しており、描画性能や処理速度の顕著な改善が期待される。

また、今のところクロック周波数は意図的に制限されていると見られ、今後のファームウェアアップデートによる性能を底上げする余地がありそうだ。

一方、外部映像出力時にVRR非対応である点は惜しまれる。任天堂は当初、米国やカナダの公式サイトでVRR対応をうたっていたが、現在は記述が削除されており、Digital Foundryはその原因をHDMI変換コンバーターの仕様によるものと推測している。将来的なソフトウェア更新やハードウェア改良によって対応することを期待したいところだ。

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