コレクターにとっては頭が痛い話

Nintendo Switch 2、物理ソフトは64GBのみ? キーカード選ぶメーカー増加か

Image:agustin.photo/Shutterstock.com

Nintendo Switch 2(以下、スイッチ2)では、ゲームの提供形式が「デジタル(ダウンロード)専用」「64GBゲームカード」「キーカード」の3種類に限定されることが判明したと報じられている。

この「キーカード」とは、ゲームデータそのものではなく、起動に必要なキー情報のみが記録されたゲームカードである。プレイには初回のみインターネット接続が必要で、その際にゲームデータを本体にダウンロードする。その後はオフラインでもプレイ可能だが、キーカードは常に本体に挿入しておく必要がある。昔の感覚で言えば、PCソフトのドングルに近い。

この形式が採用された背景には、ゲームカードの製造コスト削減、データ容量の肥大化への対応、ダウンロード販売比率の上昇などがあると見られている。ソフトメーカーにとっても供給コストを抑えやすく、プレイヤー側でも通信環境の普及によって負担が軽減されてきたことが影響している。

従来型の物理ゲームカードについては、すでに最大容量が64GBであることが判明している。これはCD Projektのコミュニティマネージャーが、『サイバーパンク2077』スイッチ2版に言及した際に明かされたものだ。なお、任天堂のファーストパーティ作品『マリオカート ワールド』(23.4GB)や『ドンキーコング バナンザ』(10.0GB)のパッケージ版は、物理ゲームカードを使うことが発表済みだ。

そんな中、海外メディアUniverso Nintendo編集長のNecro Felipe氏は「アークシステムワークスからのリーク情報」として、利用可能なフォーマットが前述の3種のみであると確認したと報告している。

これが事実であれば、たとえゲームの容量が10GBや20GB程度と少なくとも、64GBカードかキーカードのいずれかを選ばなければならず、従来のような小容量カード(1GB〜32GB)を用いたコスト抑制策は取れない。実際、『ストリートファイター6』や『龍が如く0 誓いの場所 Director’s Cut』といったタイトルのパッケージ版は、キーカード形式で発売されることが明らかになっている

なお、キーカードはニンテンドーアカウントと紐付けられておらず、従来の物理カード同様に貸し借りや中古販売が可能である。ただし「購入後すぐに遊べる」という物理版のメリットが失われる上に、任天堂が将来的にサーバーを停止した場合、未ダウンロードのゲームは二度とプレイできなくなるという大きなリスクをはらんでいる。

実際、任天堂は2024年にWii Uおよび3DSのオンラインサービスを終了しており、将来的には購入済みタイトルであっても再ダウンロードできなくなる可能性がある。スイッチ2が同様の状況に直面すれば、キーカードはただのプラスチック片に過ぎなくなる。その時が来るのはまだ先だろうが、ゲーム保存団やコレクターらは、今からその備えを始めるべきかもしれない。

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