アップルが却下すれば開発者との関係は悪化しそう
Epic Games、『フォートナイト』を米App Storeに再提出。アップルの判断は依然不透明

Epic Gamesは、アップルとの訴訟で有利な判決を得たことを受け、先週末に人気ゲーム『Fortnite』を米App Storeに再提出した。現在、アップルがこれを承認するかどうかは不透明であり、今後の動向が注目されている。
審査中のバージョンには、アップルの公式課金システムと、Epic Gamesストアを通じた外部決済へのリンクの両方が含まれている。これは、アップルが裁判で敗訴したことを受けて改訂されたApp Storeの新ルールに準拠した仕様である。
ただし、今回の判決ではアップルに対してEpicのアプリを承認する義務までは課されていない。そのため、アップルが『Fortnite』を却下する法的権限は残っているが、実際に拒否すれば裁判所からの印象が悪化するだけでなく、他の開発者との関係もさらに悪化する可能性がある。
両社の対立の発端は2020年、Epicがアップルの30%手数料に抗議して、App Storeの規約に違反する直接支払い機能を『Fortnite』に追加したことだった。これによりアプリは削除され、以降、数年にわたる反トラスト法訴訟に発展した。
そして先週、連邦裁判所はアップルに対し、開発者による外部決済方法へのリンクやその宣伝をブロックすることや、リンク経由での購入に対して最大27%もの手数料を課すことも禁止した。この判決をEpicは「勝利」と位置づけている。
ただしEpicは、米国内での開発者アカウントをはく奪されているため、代わりにEUの開発者アカウントを利用して『Fortnite』を再提出している。
一方でアップルは判決を不服として控訴し、差し止め命令の執行を一時停止するよう緊急申請を提出済みだ。これが認められれば、アップルは米App Storeの規約を従来どおりに戻し、iOSアプリ経由のすべての取引に対して手数料を徴収し続けることが可能になる。
現時点では、アップルが『Fortnite』の審査を意図的に遅らせているとは言い切れない。アップルは通常、90%のアプリを24時間以内に承認していると言うが、週末には処理が遅れがちである。とはいえ、週の半ばになっても進展がなければ、『Fortnite』の復帰が本当に進行中かどうか疑問視されることになりそうだ。
なお、今回のApp Store規約の変更は米国市場限定であるため、たとえ米国で『Fortnite』が復活しても、外部決済リンク付きの状態で日本向けストアに再公開される可能性は極めて低いだろう。
- Source: Fortnite(X)
- via: 9to5Mac