まだ実機もないため安全試験のクリアが条件

超音速旅客機、復活へ。アメリカン航空が20機発注

Image:Boom

米国の航空機ベンチャー企業Boom Technologiesが、アメリカン航空から20機の超音速旅客機を受注した。昨年6月にはユナイテッド航空が15機を発注しており、2つめの大型受注となる。

BoomのBlake Scholl CEOはロイターの取材に対して、今回の注文によって合計の受注数は130機にまで増えており、約260億ドル相当の契約になると述べた。アメリカン航空の契約も、オプションで40機を追加できるようになっている。ただ、The Vergeによるとこの契約はアメリカン航空による安全試験の結果次第で、まだ試験飛行はおろかプロトタイプすら製造していないBoomが約束を果たせるかどうかにかかっている(ユナイテッド航空も安全試験のクリアを購入条件にしている)。

Boomが生産する予定の超音速旅客機「Overture」は、持続可能燃料もしくはその混合燃料で飛行するように設計される。計画どおりに行けば2025年1号機が完成し、2026年に初飛行、2029年に就航する予定だ。そして、通常のジェット機なら7時間前後かかるニューヨーク~ロンドン間のフライトがわずか3時間半に短縮されるとのことだ。またロサンゼルス~シドニー間は6時間45分ほどで飛べるという。なお、アメリカン航空はチケットの価格に関して述べるのは時期尚早とした。

ちなみにBoomには、超音速機の独自開発もしているヴァージン・グループや、日本航空(JAL)からも出資を受けている。JALは資本業務提携の形で加わっており、20機分の優先購入権を得ている。

Overtureは4発のエンジンを搭載し、乗客60~80人を乗せることができるとされる。衝撃波による被害の心配がない洋上ではマッハ1.7で巡航でき、陸上の超音速飛行は差し控えることになるが、それでも民間の航空機に比べれば2割ほどは高速で飛行できるという。

CNNによると米国政府は、超音速ジェット機の復活に関心を示しているという。米連邦航空局(FAA)はウェブサイトにおいて、超音速機が発する衝撃波に対する陸上での許容騒音レベルなど、新しい基準の設定に取り組んでいると述べており、NASAも「X-59」と呼ばれる静音超音速実験機の開発に資金を投入している。コンコルドの退役以降、途絶えていた超音速移動手段の時代がもうすぐ再到来しそうな雰囲気だ。

ただ、投資コンサルタント企業Third Bridgeのアナリストは、Boomのもう一つのジェット機「XB-1」の試験飛行が遅れている状況を指摘。Overtureの納入も、それに伴い遅れる可能性があるとCNNに述べている。

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