パスワード廃止、Passkey推進
新規のMicrosoftアカウント、「デフォルトでパスワードレス」に変更へ

マイクロソフトは今後、同社のサービスを使うためのアカウントを新規登録する際に、Passkey、プッシュ通知、セキュリティキーといった方法を使用し、デフォルトではパスワード作成を求めなくする方針だ。
このパスワード不要化の取り組みには、最近開始されたPasskeyを優先するように整理されたサインイン手順の最適化や、サインイン画面のUI・UXの変更が伴うという。
もちろん、Microsoftアカウントをパスワードでサインインするようにしている人は、そのパスワードを引き続き使うことが可能で、逆にアカウント設定からパスワードを削除することもできる。だが、新たにMicrosoftアカウントを作成するときには、パスワードを作るよう求めることはなくなる。

マイクロソフトは、「毎日100万件近くのPasskeyが登録されている」と述べ、Passkeyユーザーのサインイン成功率は98%だが、パスワードを使っているアカウントのサインイン成功率は32%だと、そのメリットを強調した(ただ、律儀に覚えにくかったり長いパスワードを使っている人ほど、入力時にタイプミスをする可能性が高くなるため、この比較はあまりフェアなものとは言えない)。
今回の発表は、5月1日の「世界パスワードの日」に行われた。そして、マイクロソフトはこの呼び名を「世界Passkeyの日」と呼ぶよう改め、来年もPasskeyの導入作業を継続することを約束したという。ちなみに毎年5月第1木曜日を「世界パスワードの日」にすると宣言したのはIntel Securityで、2013年のことだった。同社は2017年にインテルから分離独立し、現在は2011年にインテルに買収される前の名称であるMcAfeeに戻っている。