国内ユーザー規模はアメリカに次いで2位
AIボイスレコーダー「PLAUD」が国内展開を強化へ。日本法人を本格始動、 B2B事業にも挑戦

AIを活用した録音デバイスを提供するPLAUDは、2025年4月に日本法人を開設。これに合わせてメディア向け発表会を開催し、本格的な日本法人の業務を開始したこと、ビジネス向けの展開を強化することを明らかにした。
PLAUDは、2023年6月に「PLAUD NOTE」(27,500円/税込)、2024年10月に「PLAUD NotePin」限定版(28,600円/税込)を発売。どちらもAIサービスと連携するボイスレコーダーで、デバイス側で録音した音声データを、AIを用いて文字起こし/要約することが可能。それらの内容に関して質問し、結論やTODOとしてまとめられる「Ask AI」機能も備えている。なお今年4月24日から、付属アクセサリーを減らして価格を抑えた「PLAUD NotePin」通常版(27,500円/税込)も発売する。


日本法人となるPLAUD株式会社のオフィスは渋谷ヒカリエ33階に開設。PLAUD Inc. 共同創設者兼CEO、およびPLAUD株式会社 代表取締役のNathan Xu(ネイサン・シュー)氏は、日本では100人規模の体制を構築する予定であると説明。2025年はまず10人程度にスタッフを増やすことを考えているが、来年には成長を加速させるためにより増やしていくと語った。
さらに日本にもデータセンターを設置する予定があり、これに向けて、5 – 6割はエンジニア、残りは営業やマーケティングの人材を雇う方針だとしている。シュー氏は、「日本でも信頼される製品を作っていきたい」と抱負を述べ、日本でもソフトウェアの開発体制を整えていきたいとした。

また、同社カントリーマネージャーのWatson Zhang(ワトソン・ザン)氏から、2024年におけるブランドの成長についても説明があった。2024年12月の売上成長率は、対同年1月で21倍の成長を記録。日本国内ではオンラインのほか、280以上の実店舗でもすでに販売されている。
四半期ごとの動きを見ていくと、2024年の第1四半期に公式サイトでPLAUD NOTEを販売開始。第2四半期にはAmazonにも展開することでプラス127%(前四半期比)の成長となった。その後、第3四半期では各種キャンペーンの実施により46%、第4四半期ではブラックフライデー等によって99%の成長を達成したという。

日本における普及状況については、ユーザー数はアメリカに次ぐ第2位であり、昨年12月時点で約8万人分のアカウントが作成されている。「今年は去年の3倍のスピードで進んでいる」とザン氏は話しており、今年はオフラインで購入できる環境の整備や、さらにオンラインでも購入しやすくする取り組みを行っていくそうだ。

合わせて2025年には、ビジネス向けの「PLAUD for Business」を新事業として展開していく。クライアントに対してカスタマイズしたソリューションを提供でき、業務内容に合わせた書き起こし/要約テンプレートの作成、Ask AIの最適化などを提供するという。用語の追加登録、権限などの管理機能などにも対応。セキュリティ対策にも力を入れており、すでに準拠しているSOC 2認証とHIPPA規制に加えて、2025年中にISO2001認証も取得予定だとしている。

発表会では、オーディオビジュアル系ライターの野村ケンジ氏がユーザーとして登壇。インタビュー記事に活用したり、口述筆記を組み合わせることで原稿を執筆したりなど、日々の仕事にPLAUDのサービスが役立っていることをアピールした。
