「いつか株式公開企業に」

Discord、新CEOにActivision Blizzard元幹部を迎えIPOへの姿勢を鮮明化

Image:Diego Thomazini/Shutterstock.com

Discordは、共同創業者であるジェイソン・シトロン氏がCEOを退任する意向を示した翌日、今後は元Activision Blizzard幹部であるフマク・サクニニ氏がDiscordを率いていくことを明らかにした。サクニニ氏は当面、新CEOのアドバイザーとして取締役会にとどまる。また共同創業者のひとりであるスタニスラフ・ビシュネフスキー氏は引き続きCTOを務める。

シトロン氏は従業員宛ての公開メモで、いまがCEO職を退くのに「適切な時期だと感じている」と説明。そしてDiscordには「明確な戦略、成長できる新たな事業ライン、ユーザーからの愛情と情熱、そしてユーザーにサービスを提供するために休みなく働く素晴らしいチーム」があると称賛した。

さらに、サクニニ氏のCEO就任については、15年におよぶビデオゲーム業界での経験が、もともとは2012年にゲームスタジオ(当時はHammer & Chiselという社名)として創業したDiscordの舵取りを助け「Discordを次の成長の章へと導き、いつか株式公開企業にするのに」役立つだろうとした。

シトロン氏によると、サクニニ氏はActivision Blizzardで、『World of Warcraft』『Call of Duty』『Candy Crush』といった主要ゲームフランチャイズの監督に携わったという。だがその前には、ビジネスコンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーでの8年間の勤務経験があり、Activision Blizzardでの職務も最高戦略・人材責任者~最高財務責任者(CFO)を歴任していることから、ゲーム開発というよりは銀行家や役員室における交渉能力に長けた人物というのが正しそうだ。

Discordはプレスリリースの中で、広告やマイクロトランザクションによる収益化の機会を模索するため、「ゲームというルーツに再び焦点を当てる」と述べている。広告やマイクロトランザクションは、ゲーマーにとっては必ずしも喜ばしいものではないが、サクニニ氏の新体制でDiscordがどう運営されていくのかに、注目が集まることになりそうだ。

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