車載チップT234をコストダウン、ゲーム機能を追加か

Nintendo Switch 2の搭載チップ、NVIDIA製「T239」で確定か

Image:agustin.photo/Shutterstock.com

「Nintendo Switch 2」には、前モデルと同様にNVIDIA製のSoC(チップ)が搭載されていることが公式に明らかにされている。これまで具体的にどのチップが使われているかは不明だったが、噂されていた「T239」であることが確認されたと著名リーカーが報告している。

リーカーの@Kurnalsalts氏は、「本当だった……」とのコメントとともに、チップの一部をクローズアップした「T239」ロゴの写真を公開した。同氏は未発表の最新プロセッサーやチップセットのダイショットをリークすることで知られており、過去にはSnapdragon 8 EliteIntel Lunar Lakeの正確な内部構造を公開していた実績がある。

T239は、自動運転車向けに開発された「Tegra Orin(T234)」チップをベースにカスタマイズしたものであると見られている。具体的には車載用の大きなダイサイズを切り詰め、携帯ゲーム機向けに省電力設計として、CPUやGPUコアを減らしてコストを削減し、ゲーム体験を向上させる機能を追加、といったところだ。

これまでの噂を総合すると、T239チップの仕様は以下の通りである。

  • CPU:8コアのARM A78C(T234の12コアARM A78AEから削減)
  • GPUアーキテクチャ:NVIDIA Ampere(RTX 30シリーズ相当)
  • CUDAコア数:1536基(T234の2048基から削減)
  • メモリインターフェース:128ビット LPDDR5(T234の256ビットから削減)
  • メモリ帯域幅:最大102GB/s
  • 製造プロセス:サムスンの8nmプロセス

また、グラフィック性能と機能面における情報は以下の通りである(レイトレーシングおよびDLSS対応についてはNVIDIAが公式に発表)。

  • グラフィック性能:約3.1TFLOPS。PS4(1.84TFLOPS)を上回る
  • レイトレーシング対応:RTコアおよびTensorコアを搭載し、リアルタイムレイトレーシングとAI処理に対応
  • DLSS対応:NVIDIAのDLSS技術を活用し、高解像度の映像出力が可能

なお、T239の製造プロセスが8nmである場合、PS5やXbox Series X|S(6〜7nm)よりも2〜3世代古いプロセスノードということになる。ただし、その分プロセスノードの改良による恩恵は今後期待しやすい。もっとも、高性能化したProモデルよりも、むしろ省電力性を活かしてバッテリー駆動時間の延長や、小型のLiteモデルに繋げるのかもしれない。

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