サムスン製のBixbyは後回し
Google、サムスンにGeminiをプリインストールさせるため「莫大な金額」を支払い

Googleがサムスンに対して、同社のAIアシスタント「Gemini」をGalaxy S25シリーズにプリインストールし、デフォルトのAIアシスタントとして設定させるため、月額で「莫大な金額」を支払っていることが明らかとなった。
この契約は、Geminiをサムスンの自社製AIアシスタントBixbyに置き換えるもので、今年1月のGalaxy S25シリーズ発売と同時に始まったという。
これは米国でのGoogleの反トラスト法(独禁法)違反訴訟において、Googleのプラットフォームとデバイスパートナーシップ担当副社長であるピーター・フィッツジェラルド氏が証言したことだ。
契約は2年間にわたり、固定の月額支払いに加えて、Geminiアプリから得られる広告収入の一部をサムスンに支払う内容である。米司法省(DOJ)の弁護士デイビッド・ダールクヴィスト氏は「莫大な金額」と表現しているが、具体的な金額は不明だ。
この契約は、DOJがGoogleを反トラスト法(独占禁止法)違反として提訴した裁判の中で判明した。Googleはすでに検索エンジン市場での独占的行為があったとして敗訴しており、今回の証言はその後の対応を決めるための審理において行われたものだ。
さらに、新たに提示された内部資料には、Googleがパートナー企業に対して「Geminiを検索およびChromeと共にプリインストールすることを求める、より制限的な配布契約」を検討していたことが記載されていた。これは競合他社が市場に参入することを困難にする可能性があるとして、DOJは問題視している。
こうしたGoogleによる契約は、今回が初めてのことではない。同社は2020〜2023年にGoogle検索やPlayストアのプリインストールを条件に、サムスンに約80億ドルを支払っていたことが判明していた。
今回のDOJの主張が通れば、これらの審理の結果、Googleは将来的にデフォルト設定契約を結ぶことを禁止され、Chromeの売却を余儀なくされ、Google検索を支えるデータのほとんどをライセンス供与するよう強制される可能性がある。これに対してGoogleは、デフォルト設定契約を放棄するだけで十分だと反論している。