まだ「召喚状」の段階で訴訟になるかどうか不明

任天堂、ポケモン大規模リークの犯人特定へ。米裁判所にDiscordユーザーの情報開示を要請

Image:任天堂

任天堂は、昨年発生した大規模なポケモン関連データ流出事件の犯人を特定するため、米カリフォルニア州の裁判所に対し、Discordにおいて「GameFreakOUT」というユーザー名で活動している情報漏洩者(リーカー)の身元を開示するよう強制を求めたと報じられている。

裁判所が発行した召喚状によれば、任天堂は当該リーカーの氏名、住所、電話番号、メールアドレスの開示を要求している。また、この人物が「一般公開されていない機密資料」を「FreakLeak」という名前のDiscordサーバーにアップロードしていたとも指摘されており、その資料はインターネット全体に拡散したという。

この事件は、2024年8月にポケモンシリーズを開発するゲームフリークが大規模なハッキング被害を受け、未発表のポケモンタイトルなどに関する情報が外部に流出したものである。事件の数日前、ゲームフリークは声明を発表し、従業員の個人情報が漏洩したことは認めていた。しかし、その時点ではゲーム関連の機密情報については言及がなかった。

この事件は通称「TeraLeak」と呼ばれ、流出したデータは約1TBにも及ぶとされている。そこに含まれていた主な情報は、以下の通りである。

  • 「Pokémon LEGENDS Z-A」などのソースコード
  • 初期キャラクターデザインや没案
  • 開発中のポケモンMMOに関する資料
  • 設計会議の議事録
  • 未発表の「名探偵ピカチュウ」続編に関する情報
  • ポケモン映画の企画に関する内部文書
  • 第3〜第5世代ポケモンゲームの開発中スプライト
  • 1997年のポケモンアニメに関するコンセプトアート
  • ポケモン世界の詳細な設定資料
  • 財務記録および従業員関連データ

今回の召喚状がただちに訴訟に発展するわけではないが、Discordが任天堂の要請に応じた場合、「GameFreakOUT」に対して何らかの法的措置が取られる可能性は高い。任天堂は過去にも、『ポケットモンスター ソード・シールド』の攻略ガイド写真を発売前に流出させた人物を提訴しており、当時の被告は株式会社ポケモンに対し、15万ドルの損害賠償および裁判費用の支払いを命じられていた

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