将来のハードウェア改訂を見越した選定か

Nintendo Switch 2の8nmチップ(推定)搭載は、「スイッチ2 Lite」など改訂モデル前提か

Image:任天堂

Nintendo Switch 2(以下「スイッチ2」)には、サムスン製の8nmチップを搭載すると推測されている。これはリークされたCPUおよびGPUのクロック周波数が8nmレベルのパフォーマンスを示しているとの分析や、さらに韓国の経済メディア「毎日経済」など複数の情報源が裏付けていることだ。

このプロセスノードは、PlayStation 5やXbox Series X|Sに搭載されている6nm〜7nmのチップには及ばず、一部のユーザーからは期待外れとの声も出ている。

しかし、任天堂によるこの選択は、将来的なノード縮小による改良モデルの投入を視野に入れたものである可能性が高いと指摘されている。

ゲーム技術に詳しいDigital Foundryの専門家らは、任天堂が経済的な事情(古いプロセスほど製造コストが安い)だけでなく、将来のハードウェア改訂を見越して今回のプロセス選定を行ったと分析している。

もしも5nmまたは4nmノードへ移行できれば、消費電力も下がり、現在大きな課題とされているバッテリー持続時間の大幅な改善が期待できる。スイッチ2の持続時間は最短2.5時間とされており、現行スイッチよりも2時間以上短い

またノード縮小は、より小型で携帯性に特化した「Nintendo Switch 2 Lite(仮称)」の実現にもつながる可能性がある。さらに、これまで任天堂はほぼ全てのハードで改訂モデルを発売してきたことから、有機ELディスプレイを搭載したモデルの登場もあり得るだろう。

なお、スイッチ2に搭載されるチップがサムスンの8nmプロセスである点については広く一致しているが、その技術的な詳細をめぐっては情報源によって違いがある。Digital Foundryは「8nm DUVファウンドリーノード」、すなわち10nmプロセスを改良した「8LPP」で製造されていると主張。かたや毎日経済は「7LPH」、つまり8nmの改良版プロセスであると報じていた。

いずれにせよ、スイッチ2がバッテリー持続時間を改善できる余地が大きいことは確かである。現時点では、一般ユーザーがスイッチ2の初期モデルをいつ入手できるかさえ不透明な状況にあるが、将来的には2台目・3台目としても買いたくなるような改訂モデルが登場することを期待したい。

関連キーワード: