友だち全削除されたら、もう誰も戻ってこないかも
ザッカーバーグ、過去にFacebookで「ユーザーの友だち全削除」を提案も却下されていた

Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは以前、Facebookに活況を取り戻すため同SNS上のすべてのユーザーの友だちを削除し、再び関係を再構築させる考えをしたことがあったという。これは、米国政府がMetaに対して起こした反トラスト法裁判の初日に提出された証拠の一部として、月曜日に明らかになったものだ。
ザッカーバーグCEOは2022年にMetaの従業員に宛てたメッセージの中で、この突飛なアイデアを提案した。だがFacebookの代表であるトム・アリソン氏を含むMetaの従業員らがこの考えに反対したため、実行されることはなかった。
裁判で提出された資料では、他にもザッカーバーグ氏の発案で、Facebookを友だちのつながりで交流を拡げる従来の方式から、他のSNSと同じようなフォロワーベースの交流モデルへの移行や、その他の戦略を検討していたことも明らかになった。
Facebookのユーザー離れ、ユーザー高齢化は数年前から懸案事項となっている。それでもMetaのビジネスの要とされているFacebookは、独創的な戦略を検討してそのエンゲージメントを高めるため、ザッカーバーグ氏自身の言葉で言えば「潜在的にクレイジー」な戦略も喜んで検討しているということだ。

ちなみに、ここ最近のFacebookは「OG Facebook」を掲げ、むしろかつてのように、友だちとのつながりに再びフォーカスし始めているようだ(OGはオリジナルを意味する)。3月末に北米ユーザーを対象として行われた変更では、同プラットフォームの「Friends」タブをリニューアルし、友だちの投稿やストーリーズ、Reelsに特化したフィードを表示するようにした。
最近のFacebookのメインフィードは、PRやおすすめの投稿が非常に増えており、ユーザーによってはかなりノイズの割合が高くなってしまっている。新しくなった「Friends」タブでは、友だちからの投稿が優先的に表示されるため、繋がっているユーザーの最近の投稿をチェックしやすくなり、ユーザーどうしの交流も増えるかもしれない。ザッカーバーグCEOは4月10日、Threadsに「さらに多くの『OG Facebook』を、ユーザーが戻ってくるのを迎えるために準備されている」と述べた。
The Wrapが報じたところでは、米国の平均的なFacebookユーザーは1日平均で約63分をこのサービスに費やしているのだそう。一方、Instagramユーザーは1日平均48分間。両方を足せば、ユーザーが1日平均108分間をスマートフォンやPCの画面を覗き込んでおり、これは投稿するコンテンツの作成に費やしているTikTokをわずかながら上回る。
ザッカーバーグCEOは月曜日の法廷で、10年以上前にInstagramとWhatsAppを買収したことで、ソーシャルメディア独占を違法に築いたと主張する米連邦取引委員会(FTC)からの反トラスト法違反の主張に反論、TikTokやYouTubeと「激しく競争している」と反論した。
- Source: Fortune
- via: TechCrunch The Wrap